CSR情報
トップメッセ―ジ

建設業の使命である「国民の命と財産を守る」その持続に向けた体制づくりを強化しています

 

新中期経営計画の初年度である2017年度の実績をどのように評価していますか。

 お蔭様で営業利益、経常利益、当期利益のすべてで過去最高を達成できました。特に営業利益は、新中期経営計画の3カ年の目標とする「245億円」に対して108億円、進捗率が44%となりました。好調な外部環境に支えられた側面が大きいといえますが、スタート年としては大きな成果を残せました。
 基幹3事業である土木・建築・海外のうち、建築と海外はほぼ計画通りに安定した実績を残す一方、土木では設計変更の獲得や原価低減が功を奏して営業利益を大幅に増やし過去最高益に貢献しました。
 また、2018年3月期は自己資本比率が30.7%と30%の大台を超え、営業活動キャッシュフローも107億円と前期に続いて100億円超となるなど、財務面でも成果をあげた一年でした。

武澤社長は、2014年の社長就任以来、一貫して「骨格と筋力の強化」を訴えられてきました。

 企業の事業と組織を人の体に例えて話をさせてもらっています。17年度にスタートした新中期経営計画のキャッチフレーズを、あえて前経営計画と同じ「Challenge to a new Stage」のままにしたのも、骨格と筋力の強化においてはまだまだ課題が多いとの認識があってのことです。
 「Challenge to a new Stage」には、「安定した収益確保による経営基盤強化と変化への果敢な挑戦によって更なる発展を目指す」との基本的な方針が盛り込まれています。特に「new Stage」には、「どんな厳しい状況にも耐えられるだけの自己資本を積み上げ、新たな事業領域にリスクを取りながらチャレンジしていけるような会社になろう」との思いを込めています。 
 前中期経営計画は業績面でも大きな成果をあげられ、事業や財務の基盤である「骨格部分」はかなり頑丈になりました。しかし、環境の変化に柔軟に対応していくための営業力、人材力、技術力といった「筋力部分」の強化は、まだ道半ばです。営業力では、民間工事の受注拡大を目的に新設した「民間営業統括部」の活動が丸2年を過ぎ、着実に実績を残しはじめています。しかし、民間のお客様とは息の長い関係づくりが不可欠であり、その意味でいえば十分な基礎体力はまだついていませんので、もう一段、二段の強化が必要だと考えています。

技術力や人材力の強化策は、どのようにお考えですか。

 海洋土木を得意とする当社としては、その歴史に裏打ちされた独自の建設技術の向上を図っています。例えば、「函ナビ-Auto」は、防波堤築造工事などにおけるケーソン据付の無人化を実現するもので、2018年7月には国土交通大臣から「国土技術開発賞優秀賞」の表彰を受けました。
 また、浚渫工事では、水中施工箇所の3次元データを集約し、施工中に変化する浚渫状況をリアルに「見える化」するシステムも開発しています。いずれの技術とも、作業をする人の安全・安心の向上に資するだけでなく、省人化により人手不足時代にも対応する技術となっています。
  「函ナビ-Auto」:詳細は当社ホームページをご覧ください。  http://www.toyo-const.co.jp/topics/technicalnews-8182 

東洋建設は、海外での事業でも実績がありますが、人材力の強化にも独自性があるのでしょうか。

 フィリピンで始まった海外事業はすでに40数年を数え、当社が育ててきたフィリピン人技術者は、海外工事において中心的な役割を担うようになっています。またアフリカ・ケニアのモンバサ港の造成では1期工事に続き2期工事も受注できました。
 当社の海外事業で一貫して受け継がれているのは、工事をスポット的に行うのではなく、地域に根差した会社になっていく、ということです。地元の人たちへ技術を移転するのもその一環です。お互いがウィン-ウィンの関係となることで、その地域の発展に貢献でき、また当社が必要とされる存在になると考えています。
 やみくもに受注を求めるのではなく、育った技術者がいる拠点が増え、その結果として活躍の舞台が世界に広がっていく。そうした人づくり方針は、全社で共有されていると自負しています。

それも変化への対応力を強める策の一つであるということですね。

 建設会社は景気変動の波や公共投資予算の増減に影響されやすい存在です。当社も公共工事の受注が中心ですので、それだけに変化の波にさらされてきました。現在も公共工事を中心とすることに変わりはありませんが、公共工事と民間工事のそれぞれのノウハウが、相乗的に昇華する仕組みづくりが不可欠です。人材や技術における多様性も、必ずや体質強化につながると考えています。

「法務部」を新設しましたが、その狙いはどのようなところにありますか。

 従来のリスクマネジメント部と総務部の法務課を統合して「法務部」を新設しました。その狙いは、ガバナンス体制とリスクマネジメント力の強化にあります。東洋建設グループは、非連結子会社を含め16の企業で成り、他社に比べて大きくはありません。だからこそグループに貫徹するガバナンス文化を定着させやすく、言葉を換えれば「東洋スタンダード」を築きやすいと考えています。
 その一環として、安全管理の管掌責任を、土木と建築のそれぞれの事業本部長に担わせ、その上で、海外子会社や海外の現場でも国内と変わらない安全基準を適用させるべく検討を重ねています。従来は、それぞれの国の事情の違いに配慮して安全基準も異なっていたのですが、日本をベースにした安全基準の適用を目指しています。

SDGsで掲げる目標とも絡む取り組みではないでしょうか。

 当社は、SDGsに真正面から取り組める体制はまだできているとはいえませんが、基本的に建設会社の事業には、自然を壊すという側面があると同時に、「国民の命と財産を守り、安全と安心を提供する」という大きな使命があります。かつ、この使命を、未来永劫のものとして持続させなければなりません。
 そのためには事業基盤を強化するだけでなく、働き方改革などを通じて建設業そのものへの信頼を高めるような努力が必要です。例えば土曜日は工事を休む土曜休工と、その際の協力会社従業員の給与安定への貢献などに真剣に取り組んでいくことで、事業の持続性を確保していきたいと考えています。

最後にステークホルダーに向けてメッセ―ジを。

 今年度の計画は増収減益となっていますが、決して保守的なものではありません。とはいえ、この計画数値に甘んじるわけにはいきません。我々が持つ叡智やノウハウを結集し、少しでもステークホルダーの皆様のご期待に沿うような結果を残さなければならないと認識しています。そのために、役職員一同日々努力してまいる所存ですので、何卒ご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願いいたします。

 

東洋建設株式会社
代表取締役社長 武澤 恭司