東洋建設


激戦区首都圏を勝ち抜く戦略拠点を建築。

埼玉県内のインターチェンジに程近く都心部へも好アクセスとなる地で、東洋建設の設計施工による食品加工センターの建築が進んでいる。敷地面積は野球場規模に匹敵する約1万m2。建物は2階建ての鉄骨造。屋上は塔屋と駐車場が併設され、前面道路から直接屋上に車が上がるスロープをもつ構造である。ワンフロア約5,000m2、1・2階合わせ約1万m2と、食品加工センターとしては標準的な規模だが、発注されたお客様の大手スーパーチェーンにとっては激戦区の首都圏を勝ち抜く重要な戦略拠点であり、私たちに課せられた責任は大きい。
スーパー業界にとって、一番の差別化戦略となるのが「食」である。安心・安全はもちろん、リーズナブルな価格でいかにクオリティの高い「食」を提供できるかが激戦を制する鍵となっている。食品加工センターはそのための最重要拠点として、主に水産・畜産品の加工を担い首都圏店舗に供給する計画なのである。2016年9月の稼働に先立ち、私たちも同年5月20日の竣工・引き渡しを目指し内装工事など最後の仕上げにかかっている。
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無事故・無災害、健康管理にも配慮。

着工は2015年3月13日。現場は地下水位が高い軟弱地盤のため、地盤改良・杭工事からスタートした。直径600mm~900mm以上の杭を100本以上、深さ50mの支持層まで打ち込み基礎躯体の工事へと進めていった。その後、鉄骨建て方、床コンクリート打設、そして現在の内装工事を終え外壁、外構工事、竣工となるスケジュールである。
現場にはひっきりなしに資機材を載せたトラックが入ってくる。ほどなくクレーンが動き出すため、つねに安全第一が現場の基本となるのはいうまでもない。事故だけではなく、健康管理が徹底されているのが近年の現場に共通する点でもある。例えば夏には、大敵となる熱中症への対策が施される。気温、湿度、輻射熱からWBGT値(暑さ指数)を算出し、作業計画に役立てている。東洋建設の社員は私を含め8人。協力会社35社の方を含め現場の陣容は常時100人を超え、ピーク時には150人にも達する。全員の無事故無災害、そして健康管理に十分配慮して工事を進めている。
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経験を活かすことで新たな知見を獲得できる。

工事にあたり、ポイントとなっていたのは大きく二つ。一つは排水計画だ。食品加工センターは、加工処理や清掃等で大量の水を使う。排水計画をおろそかにしておくと、エレベータなどを動かす機械室に浸水する恐れがある。そのため作業室のレイアウトに応じて適切に排水桝を配置しておく必要があるのだ。あらかじめ想定されるリスクを踏まえ対処策を講じておくのは建築の基本でもある。実は私は、食品加工センターの施工管理に携わるのは、今回で3件目。これまでも排水計画を立案・実施しており、その経験をもとに予備排水桝を複数設けるなど、より完成度を高める初の試みを採り入れている。竣工後、長期間にわたって稼働するだけに、考え得る様々な事態を想定し「思わぬところに水が溜まった」などといったことがあってはならない。初めての試みがどうなるかは後年の評価に委ねるしかなく、ここが"オーダーメイド"となる建築の難しさだが、培った経験やノウハウは一定の成果をもたらすはずであり、それらを活かすことが新たな知見の獲得にもつながるのである。
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お客様の期待以上の「作品」をつくりあげる責務。

もう一つは、高レベルの空調温度管理である。作業室はマイナス20度の冷凍室、0度のチルド室、10度の冷蔵室など複数の温度帯に分かれる。結露防止のために、それぞれ断熱材を温度帯に応じた厚さを考慮して施工する必要があるが、ここで重要になるのが建築でいう「収まり」である。設計図面にはすべての「収まり」が記入されているわけではない。図面通り施工すると断熱材の厚さによって図面通りに"収まらない"ことになる。そこで私のような施工管理の責任者が、設計図をもとに施工図を書き起こし作業員らに指示し「収まりの良い」施工をする。このほか工程表やコンクリート躯体図の作成、協力業者の手配、調整など仕事は多岐にわたるが、竣工後に味わう達成感が励みであり原動力となっている。
細部にも徹底的にこだわり、お客様の期待以上の「作品」をつくり上げることが責務であると思っている。その意味では、安心・安全、そして品質を追求し続けるお客様と、私たちも想いは一緒なのである。
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東洋建設は、高品質で意匠性に優れたRC造マンションをはじめ、複合ビル、医療・介護施設、さらに大規模な鉄骨造など多彩な建築物を手掛けています。様々な経験を積むことでスキルを高めるとともに、建物を利用される方々にとってより快適で使いやすい空間を提供するという、建築に携わる者の社会的使命を果たすことができます。建築物は常にオーダーメイドですから、常に「新たな挑戦」であり試行錯誤の連続ですが、その分竣工時の達成感はたまらなく大きなものがあります。

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