技術・ソリューション

中詰式護岸 エコバリア

護岸はわが国の沿岸域を護るため建設されてきましたが、近年では老朽化が進み、耐用年数を超える割合が多くなっています。また、地球温暖化による台風の巨大化や、東日本大震災で発生した巨大津波のように、従来の設計外力を上回る事態に対応していくことが重要です。護岸の更新や災害復旧は迅速に行う必要がありますが、その際発生するコンクリートがらや瓦礫の処分先確保も喫緊の課題です。エコバリアは、コンクリートがらや瓦礫を中詰に利用することで循環型社会を実現する護岸構造物です。

中詰式護岸 エコバリア

実験およびシミュレーションから得られた低減効果

越波流量の低減効果:越波流量は不透過の直立護岸に比べ低減し、被覆ブロック消波護岸と同程度となります。また、実験範囲内では中詰材の径が5倍程度の大きさでも越波流量には有意な差はありませんでした。
工費の低減効果:設置水深10mとした復旧シミュレーションでは、従来法より約10%の工費低減効果が得られました。

特徴

  • 護岸の更新、被災時の復旧の際発生するコンクリートがらを中詰材として利用することで処分先を確保し、迅速な対応が可能です。
  • 利用されるコンクリートがらは、透水層として入射波のエネルギーを減殺し、越波量ならびに反射波を低減する効果を発揮します。
  • 護岸が被災を受けやすいパラペット部は、一体構造として建造されるため粘り強い構造形式を実現し、高い安全性を確保します。
  • 堤体幅を大きくすることで長周期波反射低減効果も得られます。