技術・ソリューション

低天端有脚式離岸堤 バリアウィンT

MMZ計画(国土交通省)において、様々な海域制御構造物が開発されました。海域制御構造物は、海浜安定化や背後地の防護等従来の保全機能に加え、堤体背後の静穏域を利用した海洋性レクリエーションや水産資源の有効利用など、利用と環境の調和を目指しています。バリアウィンTは、海域制御構造物と同等の消波性能の上、高潮位時波浪条件でも一定の消波性能を有し、さらに波力低減効果を有する構造物です。透過性で低天端構造のため海水交換は良好で、海岸からの視界を妨げることもありません。

低天端有脚式離岸堤 バリアウィンT

実験およびシミュレーションから得られた低減効果

波力の低減効果:設計対象波に対して、実験による水平波力と造田式により算出した水平波力の比較より、波力低減率は0.7以下であることが確認されました。
波高の低減効果:消波対象波(周期6~16s,波高1~4m)に対して、透過率0.6以下かつ反射率0.5以下を満足することが確認されました。

特徴

  • 背面壁以外は平均水面下となるため、海岸からの視界を妨げません。
  • 天端の一部を除きほぼ没水するため、腐食環境が厳しい飛沫帯の影響を受けにくく、杭も直接海水に触れる部分が少ない構造です。
  • 水平波力は通常の直立式防波堤に比べて小さくなります。また、鉛直波力も極めて小さいのが特長です。
  • 消波対象波に対して所定の消波性能を発揮し、堤体背後の静穏性の確保が可能です。
  • 高潮位時にも一定の消波性能を有し、背後地を波浪から防護することが可能です。