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フライアッシュを有効活用した土質系遮水材を開発しました

 東洋建設株式会社(代表取締役社長 武澤恭司)は、石炭火力発電所から排出される石炭灰(フライアッシュ)を有効活用した遮水材として「HCB-F (ハイブリッドクレイバリア・フライアッシュ(Hybrid Clay Barrier – Fly ash))」を開発いたしました。

 我が国のエネルギー戦略見直しの中で、石炭火力発電所による発電量が急激に増えています。その一方で、石炭火力発電所の稼動に伴って発生する石炭灰等の廃棄物の排出量も増加しており、これらを処分するための廃棄物海面処分場の需要が高まっています。

 廃棄物を処分するための管理型処分場を築造するには、底面や端部に多量の遮水材を必要としていましたが、当社が開発した土質系遮水材HCB-Fは、処分する石炭灰を再利用するという新しい発想で生まれた遮水材です。また本遮水材は、繊維材を混合することで*靱性機能を付加し、地盤形状の変形に対して追随し遮水性能を確保します。

 今後当社は今回開発したHCB-Fを活用し、廃棄物海面処分場の整備に貢献してまいります。

*靭性機能:粘り強さ。材料が外力によって破壊されにくい性質のこと

 

HCB-Fの特徴
・材料に石炭灰(フライアッシュ)を使用するため、石炭灰の再利用ができます。
・ベントナイトを添加して透水係数を小さくすることにより、処分場における遮水材の底面厚が薄く(必要層厚50㎝)出来ます。
・スラリー状で施工できるので、目地や狭隘な部分での作業が容易です。
・汎用の機器を組み合わせてプラントとすることで、施工費の低減ができます。
・繊維材を混合することで靭性が強くなり、遮水部分の変形にも追随できます。
・セメントを加えることにより、石炭灰に含まれる重金属を溶出させません。

 

HCB-F

  

廃棄物海面処分場での適用範囲

 

基本配合表

 

一軸圧縮試験、三軸透水試験結果

  

プラント全景

 

 

混練り状況

 

 

                         問合せ先
      東洋建設株式会社
      経営管理本部経営企画部広報課 北村 健
      電話 03-6361-5461
      (技術に関するお問い合わせ先)
      土木事業本部技術営業部 横山 浩司
      電話 03-6361-5462

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