東洋建設 統合報告書_2024
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2023年8月に経済産業省が発表した「企業買収における行動当社は、ここ数年、複数の企業からのTOB提案を受けてきました。取締役会が賛同した提案もあれば反対した提案もあり、また賛同したにもかかわらず成就しなかった提案もあります。資本市場の荒波に揉まれた数年でした。そのなかで「会社はどうなるのだろう」と心配した従業員も少なくなかったと感じています。「安心して働くことができる環境づくり」は経営の責務と考えていますが、その一方で従業員には、「安心はあっても安住してはならない」と伝えています。ここ10年、日本におけるM&A件数は急増しています。特に指針」は、日本企業のM&Aのあり方に一石を投じたものとなりました。上場企業としてしっかりと株主に向き合い、成長していかなければなりません。また、当社グループの未来を株主に正しく理解していただくことにも一層の努力をしていかなければならないと考えています。会社が成長することが、従業員の成長につながり、従業員の生活を守ることにつながるのです。そして、成長のためには臆することなく、「変わる勇気」が必要です。従業員には、「『井の中の蛙』にならないように」と伝えています。世の中がどう動いているのか、他社が何をやっているのか、もっともっと興味を持ってほしい。自分の業界のことはもちろん、他の業界のこと、そして世界を見てほしい。会社の成長のチャンスは「外」にあります。それをつかみ取るためには、まずは「外」を知らねばなりません。加えて「変化」に敏感になることです。自分の専門性を深く究めながら、他の分野にも広く高い視点でアンテナを張る。スペシャリストでありながらも専門以外の豊かな知見を持った「T型人財」としての成長に期待しています。建設業全体の永続性を担保するためには、当社グループのみならず協力会社をはじめとしたサプライチェーンの皆様との連携が不可欠です。取引先の皆様とのエンゲージメント向上にもしっかり取り組み、持続可能な建設業を目指す考えです。一例として、建設工事に関連するサプライチェーン全体の支払条件の改善のため、2024年4月より協力会社への支払いの全額現金化などを進めています。取引先の皆様とより一層の信頼・協力関係を構築し、相互で持続的な企業価値向上を実現することで、建設業全体のさらなる発展に貢献できればと考えています。当社は、2029年7月に創立100周年を迎えます。持続可能な社会インフラの構築に技術で貢献することを目標に、多様なステークホルダーの期待に応えるべく、さらなる成長加速と資本収益性の向上を目指し、役職員一同取り組みます。これからも当社グループの活動にご期待いただければと思います。従業員に期待することサプライチェーン全体での価値向上ステークホルダーの皆様へ

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