東洋建設 統合報告書_2024
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東洋建設 I 統合報告書 2024物件でなくてもフォローし合って進めています。しかし、余裕を持って早い段階から携わっていれば軌道修正もできたのに…と感じることも少なくありません。下里 私のチームは、要員はある程度□っていますが経験の浅い若手職員が多く中堅職員がいないため、若手職員の指導や相談が私に集中しているという状況にあります。私は本社や複数の支店で経験を積んできましたが、異動の経験がない若手職員は大阪本店以外の比較対象がありません。いろいろな現場を経験してこそ身に付く知識もあると思うので、今は私が経験知として伝えていこうと考えています。催山 本社に異動する前は四国支店の現場で施工管理に携わっていたのですが、私が困っていると支店や上司が何度も助けてくれました。当社はこのように助けてくれる人がいるという安心感がありますし、自分も助ける側になりたいと思っています。時水 建設業はチームで仕事をするという意識が非常に強いので、お互いに助け合うという姿勢が生まれやすいのだと思います。当社の事業は労働集約型であり、人財がいなければ事業が成り立ちません。一人でも多くの人に当社に入社して活躍してほしいのですが、人財獲得競争が厳しいなかで他社も同様に採用活動を進めています。計画した人数が採用できていない状況を重く受け止めていますが、当社で働きたいという人財とどのように巡り会い、採用にまで至るかは、特効薬のない難しい課題です。下里 当社を含めてゼネコン、マリコン各社は、細かい技術力の差はあるものの業務内容での差別化は難しいと感じます。学生であればなおさらでしょう。このため、職場環境や給与、福利催山 異動前はExcelやデータベースなどに触れる機会がほとんどなかったため、基礎的な知識から学んでいる状況です。今は「わからないことはわからないと言って裸でぶつかっていこう」という気持ちで臨んでいます。上司はデジタルに関してのスキルを持っていますが、統計に関する資格の勉強に日々取り組んでいる姿を見て、自分も常に勉強をしていかなくてはと、良い影響を受けています。八重樫 一級建築士取得は昇格要件のひとつになっており、設計部では模擬試験で一定の成績を残すと、試験直前の5日間、業務として一級建築士試験対策の勉強会に参加できます。厚生といった面で判断されているのが実状だと思います。そのようななかで、当社の内定者アンケートの回答を見ると、約6〜7割が「社風」や「人柄」を評価していただいています。採用活動では、説明会だけでなく必ず当社の現場を見ていただく機会を作ったり、学生と職員がざっくばらんに話し合える場を設けるようにしています。現場や職員を知らずに入社して、後からミスマッチが生じるのを防ぎたいという考えから始めた取り組みですが、仕事に対する姿勢なども見ていただけることが評価につながっているのではと感じています。八重樫 せっかく入社しても、業務が合わなかったり大変だという理由で退職に至ってしまうのは残念なことだと感じます。当社に興味を持って入社し、やりたいことをやりきった結果であれば良いと思うのですが、会社の目指すものと本人の目指すものが合わないと、お互いに苦しむことになってしまいますから。催山 人財が足りていないのはどこの職場でも認識できていると思うので、現場のチーム力をさらに発揮して業務の取り組み方を工夫することも大切ですね。また効率化という意味では、デジタル推進部での生成AI等のツールの導入を進めているので、便利な使い方を社内に浸透させたいと思っているところです。下里 生成AIなどの技術が発展していくと業務が効率化されてミスも減るかもしれませんが、「自分で考える力が身に付かなくなるのでは」、「仕事の面白さは残るのだろうか」という懸念もあります。モチベーションが下がれば貴重な人財が流出してしまうという危機感もあり、導入の方法には検討の余地があると見ています。通常であれば業務と並行して取り組まざるを得ないので、直前に試験対策に集中できるのはとても良いと思います。ほかにも建築部主催で一級建築施工管理技士取得のための研修があったりと、業務に即した研修・学習の機会は充実していると思います。また、昇格者研修などの機会では、普段は全国で勤務している同期や同年代の職員と顔を合わせることができるのでリフレッシュになりますし、「あの人はもうこんな仕事をしているんだ、自分も頑張ろう」という刺激にもなっています。下里 八重樫さんと私は同期入社で、新入社員研修を同じグループで受けていました。配属が決まってからも、昇格者研修一人ひとりの成長につながる、多様な学びの機会31

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