近年、激甚化する自然災害や切迫する巨大地震への対応として、国土強靭化を目指した防災・減災対策構造物の整備が各地で進められています。沿岸地域においては、津波や高潮から人命や財産を守る防波堤や防潮堤の整備が進められています。
フラップゲート式可動防波堤は、津波・高潮対策用の可動式防波堤で、平常時は、扉体が海底に沈んでいますが、津波や高潮来襲時に発生する水位上昇の力を利用して浮上し、ゲートを閉鎖します。景観への影響が少なく、ゲートの開閉装置も縮小できるため、建設や維持管理コストの削減が可能となります。
構造体のほとんどは、工場で製作されるため、現場での施工期間が短縮でき、かつ、優れた品質を確保できます。
本施設は、日立造船株式会社および五洋建設株式会社と共同開発したものです。
沖合いで発生した津波が海域を伝わって海岸に達し、陸上に遡上するまでをシミュレートします。これによって、港湾域や海岸に到達した津波によって水面が何処まで上昇するか、また、陸域の浸水状況が予測できます。下図は1854年に発生した南海道沖を震源とするM8.4の安政南海地震津波を再現したもので,津波発生後2時間で大阪湾湾奥に津波が到達するのがわかります。この例では、南海道沖(高知沖)で発生した津波を大阪湾内まで追跡するために、4段階にメッシュを徐々に細かくして計算しています。
東洋建設では津波対策の立案に向けて、三次元津波流れ発生装置(T-TUFGEN3D)や、ドラム型遠心載荷津波水路(T-DUCTUSS)など、最高水準の模型実験技術を駆使した津波リスク管理だけにとどまらず,津波発生・伝播・遡上シミュレーション(T-TOPPRS)や津波波力計算と構造物地盤応答解析の連成解析などの数値解析技術を相互に補完しあうことにより、SOWASコンセプトを考慮したより高精度なシミュレーションを実現し、他に例を見ない高性能な手法を提供します。さらに、SOWASコンセプトを実現する新たな数値解析手法の開発にも取り組んでいます。