Technology

免震装置交換システム

日本における免震建物

日本は地震大国と言われる程地震が多く、阪神淡路大震災・東日本大震災の記憶は未だ色褪せていません。この先、いつ大地震が襲ってきてもおかしくない日本では、どのように地震と向き合い対策していくのか考えなければなりません。

1995年の阪神淡路大震災を契機に免震建物は急増しました。その後も大地震を経て免震建物は確実に増加してきています。今日において、日本では大地震の発生が予想されています。そのため、今後も免震建物は増加していくと予測され、免震装置の交換時期となった建物の交換工事が今後見込まれます。
東洋建設では、今後の免震化需要により見込まれる「免震装置交換」に対し、新たな試みを行いました。安全・安心な交換工事システムを構築し、皆様のニーズにお応えするべく、体制を整えています。

免震建築棟数グラフ

免震建築頭数グラフ

東洋建設の免震装置交換システム~BIMの活用~

東洋建設が培ってきたBIM技術は新築工事の設計施工だけでなく免震装置交換工事の検証にまで活用を広げてきています。
「既存建築物の調査」「設計」「施工計画」「現場教育」「計測管理」各段階で安全性・建物の健全性を確認し、正確性・効率の向上、検証時間の削減を図ります。

測量調査
―3Dレーザーによる既存図の作成

設備図、電気図及び躯体図のない既存建築物の工事では、最初に測量から配管及び躯体の図面を起こします。
当社では、3Dレーザー測定により配管・躯体の位置を点群化し、点群データをBIMに取り込むことで図面を起こしています。配管の位置及び躯体の寸法を高精度で計測し、迅速に図面化することができます。

計測管理―ひずみ検知

免震装置交換時に躯体をジャッキアップします。この時、建物への影響を最小限に抑える安全確認のためにコンクリート基礎梁や上部躯体、意匠上重要な部分に発生するひずみをモニタリングする必要があります。
当社では、このひずみの測定に光ファイバを用いてリアルタイム計測を行っています。

免震装置交換工事システム~BIMの活用~

現場教育―アニメーションを活用した施工手順の周知

円滑な施工を行っていくには作業員の施工手順の理解が重要です。そのため、BIMモデルで施工手順アニメーションを作成し、作業員への手順周知を行っています。これにより、一連の施工手順を把握することができ、円滑な施工へとつながっています。

施工手順アニメーション

免震装置の搬出入経路

施工計画
―免震装置の搬出入経路の検討

免震装置搬出入では既存配管の盛替え作業をするため、経路検討を行います。 既存図がない場合でも、3Dレーザー点群測量データより作成した躯体及び配管をBIMモデル内で免震装置の搬出入経路のシミュレーションを実施。BIMアニメーションで免震装置を移動させることで、躯体及び既存配管との干渉を動的に確認することで円滑な施工へとつなげています。

設計―免震装置交換工事設計

配管盛替えにおける干渉チェック
配管等盛替え工事前に、地震が発生し免震装置が機能した際の動作をBIMによりシミュレーションを実施。免震装置による作動状況をBIMアニメーションで動かし、躯体及び配管等との干渉位置をモデル内で特定します。
干渉シミュレーションにより、正確な配管盛替え位置を計画することが可能になります。また、3Dモデルによる干渉位置の特定は、視覚的にも特定しやすくなります。

可動域クリアランスの確保検証
ジャッキアップを行うにあたり、既存躯体の補強が必要な場合があります。その補強方法を様々な工法の中から最適な工法を選択し、より安全に交換工事が出来るように構造計画を実施。また、その補強躯体が擁壁及び既存配管をBIMアニメーションで動かし、干渉チェックを行っています。
BIMによって必要なクリアランスが確保できない部分が確認できた場合には、適正な方法で隔離を確保する対応を施工前に行うことができます。

可動範囲のクリアランス確認

東洋建設の品質管理

光ファイバー計測による
リアルタイム計測

免震装置交換時のコンクリートひずみ測定
免震装置を交換する際に躯体をジャッキアップしなければなりません。
このジャッキアップ時にコンクリート基礎梁に歪みが生じないようAIを用いて変異管理を実施しています。しかし、大規模な建物では、部分的にジャッキアップをするケースや免震レトロフィットにおいては、既存設計図書がなく想定外の建物自重によるひずみの発生が予想されます。そのため、安全確認のために基礎梁や上部躯体に発生するひずみをモニタリングする必要があります。
当社ではコンクリート基礎梁に光ファイバを設置し、ジャッキアップ時に異常がないことをリアルタイムにモニタリングしています。

免震装置交換時の意匠上重要な部材への
ひずみ測定

ジャッキアップによる躯体の応力が意匠上重要な部材に歪みやたわみが発生し、意匠性が損なわれる懸念があります。
対策としてコンクリートひずみ測定でも使用している光ファイバを該当部位に設置し、ひずみが発生しないかをモニタリングしています。
実際にコンクリートだけでなく仕上部材のカーテンウォールでも実施測定は済んでおり、光ファイバを利用したひずみ測定技術は、当社が特許を申請中です。
今後、より高い精度を目指し技術の向上に努めて参ります。

光ファイバー計測

光ファイバー計測

光ファイバの計測イメージ

モニタリング要領(機器設置場所)
監視を行う梁に光ファイバを貼り付け、ジャッキアップ作業時のひずみ計測を行います。計測時のイメージは以下のとおり。

光ファイバ計測 モニタリング要領

<波形のイメージ>
モニタリング中の波形

モニタリング中の波形

【コンター図・イメージ】
分析のための処理

コンター図

コンター図

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