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首都圏にお惣菜をお届けする大規模食品工場
JR外房線の「誉田駅」から徒歩20分弱。千葉市が分譲する「ネクストコア千葉誉田」で株式会社Peace Deli様の大規模食品製造工場の建設が進んでいる。
Peace Deli様は、株式会社セブン&アイ・ホールディングス様ならびに株式会社イトーヨーカ堂様の子会社で、この工場は「千葉キッチン」としてイトーヨーカ堂様を中心にセブン&アイ・ホールディングス様グループ各社の首都圏店舗向けに「惣菜」「精肉」などを供給する予定となっている。
また、Peace Deli様にとって3番目となるこの「千葉キッチン」では、新たに400名もの雇用が創出される見込みで、地元からの期待が大変大きい。当然、お客様と地元住民の方々に満足いただける食品製造工場を造ることが求められており、当社がこれまで培ってきた工場建設のノウハウをいかに発揮するかがプロジェクトの成否を握ることになる。
食品工場ならではの品質管理
2024年2月28日の引き渡しまで3か月を切った2023年12月初旬の現場は、仮設現場事務所の移設が始まったこともあって、広い敷地が狭く感じるほど多くの工事関係者が集まっていた。その人数は440名ほどで、工事終盤の熱気を感じる。
建物の内部を藤田敏継副所長に案内したもらったが、東西約120m、南北約100mもの広さの建物に150以上の部屋があり、目的地に到達するのは容易ではない。別途工事業者も10社以上入場しており、輻輳する作業の調整は、当社の重要な役割のひとつだ。
この工事の責任者である永江敏之所長から、食品工場ならではの品質管理について説明を受けた。「当社は多くの食品工場を造ってきていますので、お客様が要望されるポイントを十分に理解しています。また、そのポイントを解決できるだけのノウハウを持っています」と言い、今回の工事では「一つ目は厨房加熱調理室の熱気対策。ふたつ目に結露対策。そして防虫対策」を挙げた。これらについては、当初からお客様を交え協議を重ねており、その対策に自信を持っている。
厨房加熱調理室の熱気対策には「HALTON天井換気システム」を採用し、厨房機器から発せられる熱を天井部に滞留させる一方、調理をする方の場所には冷気が届くようにしている。従来の「熱気のこもる厨房」というイメージは払拭されるという。
結露対策には、当社では初の試みとして天井内に除湿器と送風機を設置。除湿された空気が天井裏、外壁と内壁の空間に送られることにより、結露抑制の役割を果たしている。
防虫対策では、屋外の植栽樹種を虫の付きにくいものとし、建物は外部からの侵入や内部発生の危険性がある箇所を閉塞している。他にも、床面のクラック対策や排水桝の改良など、目につきづらい所にも当社の長年のノウハウが活かされており、ここが食品工場の建設における当社の強みとなっている。
食の安全・安心に貢献していく
当社過去最大規模の現場には、取材時点で14名の職員が配属されている。永江所長のほか、大規模現場や食品工場の経験者が集められており、当社として万全な体制で施工に臨んでいる。永江所長は、「これだけの規模の工事ですから、経験者の力なしには順調に仕事は進みません。また、設備工事も多いので、着工当時から設備担当の職員を複数名常駐しています。これは当社が施工する案件では比較的珍しく、特色であるかもしれません」と話す。また、若手職員も多く、食品工場の施工ノウハウが次世代に繋がっていくことを期待したい。
最後に永江所長は、「“食”に求められるのは何と言っても“安全・安心”です。当社も高い品質の工場を建築することで“食の安全・安心に貢献していくことを目指します」と力強く宣言。2024年春から店頭に並ぶお惣菜の製造元を見ることを楽しみにしたいと思う。
工事名称 | Peace Deli 千葉誉田PJ |
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工事場所 | 千葉市緑区誉田町2-28-100 |
工期 | 2022年9月1日~2024年2月28日 |
発注者 | 株式会社Peace Deli |
設計者 | 株式会社INA新建築研究所 |
施工者 | 東洋建設株式会社関東建築支店 |
工事概要 |
工場(食品加工) S造地上2階建 建築面積11,778.26㎡ 延床面積20,928.89㎡ 軒高14.6m 最高高さ16.9m |