技術・ソリューション

吊荷動揺低減装置

港湾工事におけるクレーン作業は波浪条件下で実施されるため、クレーンの動揺により吊荷が動揺しやすく、据付精度の低下や作業員との接触事故の原因となります。「吊荷動揺低減装置」は、ショックアブソーバーによる衝撃・振動減衰機構を利用して、吊ワイヤを通して吊荷に作用する上下動を低減できるため、吊荷作業における安全性と据付精度の向上や効率化が図れます。

吊荷動揺低減装置

衝撃・振動減衰機構

クレーン船の動揺により吊ワイヤから伝達した上下動は、吊荷動揺低減装置のピストンロッドからシリンダー内部に伝達され、内部に充填された窒素ガスの圧縮・膨張よるバネ作用とオイルの流体抵抗により、上下動による作用力を減衰して、吊荷に生じる動揺を低減させます。

特徴

  • シリンダーの密閉二重円筒構造により、気中だけでなく水中の吊荷作業(最大水深4000m)にも使用できます。
  • シリンダー内部に充填する窒素ガス圧とオイル量により、クレーン規格に応じてピストンロッドのストローク長と吊荷重(最大70t)を自由に調整できます。
  • ショックアブソーバーによる衝撃・振動減衰機構を採用しているため、電気や油圧などの動力源を必要とせず、ケーブルレスで作業を行えます。
  • 吊荷の動揺を低減できるため、波浪条件下においても作業員が安全に吊荷の玉掛け・玉外しを行えます。
  • 吊荷の動揺を低減できるため、波浪動揺に関係無く吊荷を所定位置へ正確に据付でき、作業効率も向上します。