技術・ソリューション
サクションバケット基礎(マルチタイプ)
サクションバケット基礎は、地中部に埋設されるバケットの数から「モノタイプ」と、「マルチタイプ」に分類されます。いずれも、バケット内部の排水による水圧を利用して貫入するため、施工に関する特徴は同じです。一方、風車搭載後の水平荷重に対しては異なる挙動を示し、杭基礎工法のモノパイル(単杭)とジャケット(多脚杭)の関係に類似しています。
室内実験による施工性の検証
マルチタイプは、複数ポンプを同時に操作することにより各バケットの貫入量を調節することで、基礎全体の鉛直性を制御できる利点があります。こうした、マルチタイプの基本的な施工性について、室内土槽での模型実験により検証を行いました。
特徴
- 「マルチタイプ」は脚間を広げることで安定性を増すため、バケットの巨大化を抑制できる
- 特徴1より、大きな荷重に対して設計の自由度が高く、大型化する風車基礎として適している
- 各バケットのポンプ排水量を操作して貫入量を調節でき、さらに高精度な鉛直性制御が可能
- バケット部と基礎上部構造が一体化されており、杭式ジャケットに比べて工程を大幅に短縮できる