技術・ソリューション

重力式離岸堤 バリアウィン

わが国の海岸には台風等による巨大な波浪が押し寄せるため、沿岸域を波浪から守る防災施設が建設されてきました。また、山間部のダム建設や河川整備などの基盤整備が行われてきました。その結果、海岸への砂の供給の減少や漂砂の連続性が絶たれることによる海岸侵食が増えています。海岸侵食の根本対策は陸域から海域までの土砂循環を踏まえる必要がありますが、緊急に対策が必要な深刻な侵食が生じている海岸も数多く存在します。バリアウィンはそのような海岸のかけがえのない砂浜を守ります。

重力式離岸堤 バリアウィン

実験およびシミュレーションから得られた低減効果

堤体幅、質量の低減効果:水平波力、揚圧力の低減効果により、従来のケーソン堤に比べて断面を縮減することが可能です。水深10mでのシミュレーションでは、堤体幅13%、総質量34%の縮減が可能と推定されています。
工費の低減効果:設置水深3mとしたシミュレーションでは、従来の異形ブロック離岸堤より約10%の工費低減効果が得られました。

特徴

  • 流体力学の機構を巧みに利用し、堤体は揚圧力を受けません。
  • 水平波力も低減するので、経済的な断面を提供できます。
  • 天端面が平均水面付近となるため、海岸からの視界が広がります。
  • 天端上に擬岩やパラペットを設置することで漁船の衝突防止の目印となります。
  • 中詰めには、異形ブロックの転用やコンクリートがらなどを利用することも可能です。