リスク・機会の特定と評価
気候変動によって中長期に影響を及ぼしそうな重要な事象を、移行リスク(「法規制・政策」、 「技術」)、物理リスク (「慢性」、「急性」)に分類
東洋建設は、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の情報開示要請に基づき、気候変動関連情報を開示しています。
サステナビリティ推進体制を参照ください。
TCFD提言で示された各リスク・機会の項目を参考に、気候変動問題が当社の事業に及ぼすリスク・機会に関して、以下のステップで検討いたしました。
出典:IPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書 政策決定者向け要約 暫定訳(文部科学省及び気象庁)
IPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書 政策決定者向け要約 暫定訳(文部科学省及び気象庁)より、図SPM.8を転載
1.5℃シナリオでは、脱炭素化の進展に伴い、低炭素・省エネ建材の導入、再エネ電力の調達が加速し、コスト負担の増加が見込まれます。一方、洋上風力発電事業やZEB/ZEH-Mの需要が拡大するなど、事業機会の創出も期待されます。一方、4℃シナリオでは、気候変動の進行により災害や熱中症リスクが高まり、事業継続性の確保やBCP策定、サプライチェーンの強靭化が重要となります。
| リスク | 分類 | ドライバー | 温度帯 | 時間軸 | 収益/ 費用 |
影響 | 影響度 | 対応策 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 移行 | 法規制・政策 | ・炭素税の導入 ・CO2排出規制の強化 |
1.5℃ | 中期 | 費用 | 事業活動により発生するCO2に対して炭素税が課税され、コストが増加 | 小 | 作業船の燃料転換・省エネ化 |
| 1.5℃ | 中期 | 収益 | 建設コスト増により民間建設投資が減少 | 大 | 環境負荷低減とコスト効率を両立する建設工法の開発・提案 | |||
| 建築物の省エネ基準の強化 | 1.5℃ | 短期~中期 | 費用 | 建築基準の強化により性能の高い製品や追加設備が必要となり、建設コストが増加傾向 | 小 | 省エネ規制と顧客要求を満たすコスト最適化技術の確立 | ||
| 技術 | 再生可能エネルギー価格の高騰 | 1.5℃ | 中期 | 費用 | 再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力会社の調達コストが上昇し、電力コストが増加 | 中 | 自社所有建物への太陽光発電施設の導入 | |
| 物理 | 慢性 | 気温上昇による建設現場の労働環境悪化 | 4℃ | 中期~長期 | 費用 | 熱中症等による健康被害の増加 | 中 | 安全・熱中症対策強化や働き方改革による工事現場の労働環境改善 |
| 4℃ | 中期~長期 | 費用 | 労働環境悪化による生産性低下、技能労働者不足の深刻化 | 大 | 現場省力化の実現に向けた技術・研究開発の推進 | |||
| 急性 | 地球温暖化に起因する自然災害の激甚化 | 4℃ | 長期 | 費用 | 異常気象によるサプライチェーンや自社施設への被害発生リスクが増大 | 中 | ・BCP体制の構築 ・サプライチェーンの強化 |
| 機会 | 分類 | ドライバー | 温度帯 | 時間軸 | 収益/ 費用 |
影響 | 影響度 | 実現策 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 機会 | ・エネルギー源 ・製品及び サービス ・市場 |
再エネ・省エネ関連の建設需要拡大 | 1.5℃ | 短期~中期 | 収益 | 洋上風力発電施設への建設投資が拡大 | 大 | 洋上風力発電施設建設事業への参画 |
| 1.5℃ | 短期~中期 | 収益 | ZEB・ZEH-Mの基準をクリアする建築需要が増加 | 大 | 自社設計案件のZEB/ZEH-M化提案の推進 | |||
| 藻場・干潟造成や港湾工事における生物共生型構造物の需要拡大 | 1.5℃ | 短期~長期 | 収益 | ・気候変動対策でのブルーカーボン拡大策としての藻場や干潟の造成 ・再生に対する社会的要請の高まり ・港湾施設における生物共生型構造物の設置工事の増加 |
中 | ・藻場・干潟技術の開発強化 ・生物共生型構造物の開発強化 |
||
| 気候変動に対応した港湾施設の改修・新設需要 | 4℃ | 短期~長期 | 収益 | 地球温暖化による海面上昇や自然災害増加など気候変動への対応として、港湾施設の改修・新設需要が拡大 | 大 | 気候変動対応型港湾施設建設技術の強化 | ||
| 市場からの建設機械(主に作業船)の脱炭素化要求 | 1.5℃ | 短期~長期 | 収益 | 建設機械・作業船の早期脱炭素化により、公共工事を中心とした受注機会が拡大 | 大 | 脱炭素型建設機械・作業船の早期導入推進 | ||
| レジリエンス | 国土強靭化 | 4℃ | 中期~長期 | 収益 | 防災・減災・国土強靭化施策、災害復旧等のインフラ整備工事が増加 | 大 | ・防災・減災、災害復旧時に貢献する技術・研究開発の推進 ・災害復旧に即応できる体制の構築 |
・ 時間軸の定義:短期:0~1年、 中期:1~5年、長期:5年以上
・ 影響度の定義:
– 大:自社事業への収益を大幅に減少させうる事項、経営を大幅に圧迫する費用となり得る事項
– 中:中程度の経済的損失が発生し、事業運営に影響を及ぼす可能性がある
– 小:売上、費用ともに経営に影響への影響が小さい事項
リスクマネジメント体制を参照ください。
当社グループは、気候変動が事業活動に及ぼす影響を適切に把握・管理するため、GHGプロトコルに基づきScope 1およびScope 2、ならびにScope 3の排出量を算定し、これらの結果をもとに削減目標を設定しています。
GHG排出量削減に向けては、Scope 1およびScope 2で2030年度までに2023年度比42%の削減、Scope 3ではカテゴリー1(購入した製品・サービス)およびカテゴリー11(販売した製品の使用)で25%の削減を目指しています。
また、これらの目標は、Science Based Targets(SBT)イニシアティブによる認定を取得しています。
| (千t-CO2e) | 2023年度 (基準年) |
2025年度 | 2030年度 | |
|---|---|---|---|---|
| Scope 1 + 2 | 総排出量 削減率 |
110 |
97 ▲12% |
64 ▲42% |
| Scope 3 カテゴリー1 + 11 |
総排出量 削減率 |
1,205 |
ー | 904 ▲25% |