技術・ソリューション
3次元水域環境予測プログラム WESTech-3D
WESTech-3D(ウエステック・スリーディ)は、磯部雅彦東京大学名誉教授が開発した3次元流動-水質シミュレーションプログラムです。東洋建設(株)では、磯部名誉教授のご指導のもと、このWESTech-3Dを導入し、大阪湾の青潮の発生要因解明のための流況計算を実施しました。さらに、独自の機能を加えて海上工事に伴って発生する濁りの拡散予測などに活用して、海上作業における環境(水質)保全のための施工管理などに役立てています。
工事による濁り(SS)の拡散計算例(養殖エリアへ達するSS濃度は小さい)
濁り(SS)の計算条件(工事区域と隣接する養殖エリアの位置関係)
計算時の潮位条件(施工個所で8時~17時の間,濁りを発生させた)
特徴
- WESTech-3Dは3次元流動モデルと生態系水質モデルより構成されています。
- 3次元流動モデルは、海域の流動に大きく影響する水温成層を再現するために海水の密度を考慮して、主に潮汐による流れを計算します
- 生態系水質モデルは、植物プランクトンの光合成などの生物・化学的変化過程をモデル化して水質の変化(DOの増減など)を計算します。
- 濁り(SS)の拡散計算では、生態系モデルの替わりにSSを対象として、SSの移流,拡散,沈降による濃度変化を計算します。
- 日々の潮位変化を考慮した数か月にわたる長期の予測計算を安定的に行うことが可能です。