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洋上風力発電施設におけるサクションバケット基礎の施工技術実証に取組みます~ 2021年度には実海域試験を実施 ~

 東洋建設株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 武澤 恭司、以下、東洋建設)と日立造船株式会社(大阪府大阪市、代表取締役 取締役会長兼社長 谷所 敬、以下、日立造船)は、着床式の洋上風力発電施設の低コスト化(資本費20%低減)を実現できるサクションバケット基礎の施工技術実証に取組みます。

 なお、本件はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の風力発電等技術研究開発(洋上風力発電等技術研究開発)「洋上風力発電低コスト施工技術開発(施工技術実証)」の助成を受け、実施します。

 サクションバケット基礎は、洋上風力発電施設の基礎として欧州で実績のある工法で、国内においても防波堤などで適用実績があります。本実証は、欧州とは条件の異なる国内の洋上風力発電施設へのサクションバケット基礎の適用性について検証するとともに、大型化が進む風車にも対応可能な基礎形式・施工技術についても技術開発を行い、10MW級以上の風車の普及にも備えるものです。

 

 本実証の主な内容は次のとおりです。

①2019年度・2020年度
 東洋建設鳴尾研究所(兵庫県西宮市)において約1/10縮尺モデルのサクションバケット基礎を用いて土槽試験を行い、構造物と地盤の挙動および沈設・撤去の施工性も確認します。また、京都大学防災研究所(京都府宇治市)で遠心力場試験を行い、両試験の数値解析の結果を踏まえ、次年度に行う実海域試験の検討および同試験で使用するサクションバケット基礎の設計・製作に着手します。

②2021年度
 実海域での貫入及び引き抜き試験を行い、構造物と地盤の連成挙動を評価します。

③2022年度
 大型風車対応の検証も行い、公的機関による技術認証を取得します。

 

 また、サクションバケット基礎の主な特長は次のとおりです。
 ①ポンプで排水して地中に貫入させるため、大型施工機械が不要
 ②貫入と逆の手順で注水することで、設置時の機材を用いて全撤去が可能
 ③貫入、撤去作業において大きな騒音、振動が発生しない。

 

 両社は、これからもクリーンエネルギーの普及に寄与する技術開発により、低炭素・循環型社会の実現に向けて貢献してまいります。

 

PDFはこちらでご覧いただけます

https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/03/20200318.pdf

 

(問合せ先)
東洋建設株式会社
土木事業本部土木技術部
電話 03-6361-5464

日立造船株式会社
経営企画部 広報・IRグループ
電話 06-6569-0005(大阪)
03-6404-0802(東京)

大型風車への適用案

サクションバケットのメカニズム

サクションバケット設置断面