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東洋建設株式会社(代表取締役社長 武澤 恭司)は、従来の漁場築造システムを拡張し、準天頂衛星「みちびき」を利用した「漁場築造システム-QZSS」を開発しました。
当システムは湧昇流漁場(マウンド礁)築造や保護育成礁築造など沖合での施工状況を可視化するシステムで、これまでのGPSを中心としたGNSS測位システムに加え、準天頂衛星「みちびき」を使用し、沖合施工の高精度化を実現しました。
漁場築造工事は投入計画→海洋調査(潮流)→施工→測量のサイクルを回しながら施工を行いますが、漁場築造海域は水深が深く、潮流も早いことから正確な投入位置での施工が重要となります。
沖合施工ではRTK測位(精度2㎝~10㎝程度)の補正データが届かず、ディファレンシャル測位(精度50cm~100㎝程度)を用いて施工を行っていますが、この度より正確な位置を算出するため準天頂衛星「みちびき」を使用しました。「みちびき」は2018年11月から運用を開始された日本の衛星測位システムであり、センチメータ級測位補強サービス(CLAS)が配信されています。当社はこの技術を用い、±50㎝から±10㎝へ精度向上した施工管理システムを開発、沖合の海洋構造物の築造にはじめて採用して良好な成績を収めました。

GNSS測位システム設置状況

施工状況図(左図)と漁場築造システム画面(右図)
海洋工事では海象条件により施工状況は一様ではありません。今後は、波浪計測技術や動揺低減技術をこのシステムと連携させることによって高品質な漁場築造を実現していくとともに、安全面の向上を図ってまいります。
以 上
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https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/12/20201202.pdf