- TOYO HISTORY
- LANGUAGE
東洋建設株式会社(代表取締役社長 武澤恭司)は、作業船位置や石材検収情報、気象情報などをリアルタイムに仮想空間上のBIM/CIMモデルに反映・表示する「海上工事デジタルツイン*1システム」を開発しました。
本システムは、現場において収集されるリアルタイムデータをBIM/CIMモデルに一元表示させるとともに、ICTツールとの連携が可能なシステムです。この度、国土交通省中部地方整備局発注の「名古屋港新土砂処分場埋立護岸基礎工事」で試験運用し、実用化しました。
沖合における海上工事は、一般的に港付近の広大な海域が作業区域となり、作業船の配船状況を俯瞰して見られる場所はありません。そのため、現場担当者が各船舶に乗り、電話や無線連絡、複数のICTシステムを使用した人的な監視によって統合管理しています。本システムは、仮想空間に港湾工事状況を再現しリアルタイムに情報を集約表示させるため、理解しやすく直感的に扱うことができるので、的確な施工管理を行うことが可能となります。今後、多種多様なICTシステムから得られる情報にも対応し、機能を拡張していく予定です。
また、ガット船*2による石材投入前に実施する数量検収作業では、複数人により検尺ロッドや測量ポールを使用して写真撮影や計算を行う必要があり、データ反映までに手間と時間を要するなど課題がありました。本システムでは、AR画像技術を応用した体積自動計算アプリである「ガット船測りマス(株式会社エム・ソフト)」からクラウドにアップロードされた検収データを、デジタルツインシステム内に表示させるとともに管理表に自動出力します。これによりデータ入力手間がなくなったほか、クラウド経由でデータ共有を行えるため、現場事務所や支店など遠隔地でのBIM/CIMによるリアルタイムデータ管理が可能となりました。
当社では、綿密な施工計画作成のためのBIM/CIMによる施工シミュレーション技術(Toyo Virtual Construction)と、施工現場での生産性向上を目的としたICT技術を拡充してまいりました。「海上工事デジタルツインシステム」においても、BIM/CIMとICT技術をつなげることにより、施工管理の省力化が実現しました。当社はこれからも施工計画から施工現場管理への総合的なDX推進を図り、施工技術及び生産性の向上を図ってまいります。
デジタルツイン*1:現実空間から収集したデータを仮想空間上に再現する技術
ガット船*2:石材等を輸送,海中に投入する作業船舶
PDFはこちらでご覧いただけます
https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/05/20230118.pdf
問い合わせ先
東洋建設株式会社
土木事業本部土木技術部
電話 03-6361-5464