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TLP方式による浮体式洋上風力発電の実証試験事業における石狩湾沖合での大水深施工実験の実施について

 東洋建設株式会社(以下「当社」)は、TLP方式※1の浮体式洋上風力発電の実証試験事業において、外洋船を用いた大水深施工実験(以下「本実験」)を北海道石狩湾沖合にて実施したことをお知らせいたします。

 

 本実験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)により、三井海洋開発株式会社、古河電気工業株式会社、株式会社JERAとともに採択されたグリーンイノベーション基金事業の一環である「低コストと優れた社会受容性を実現するTLP方式による浮体式洋上発電設備の開発※2」のうち、当社が担当する係留基礎の現地実証実験です。

 本実験では外洋船により、大口径かつ長尺の鋼管杭を用いた基礎杭の施工性の検証および設計引抜力の計測を実施いたしました。

 当社はこれまで排他的経済水域(EEZ)をはじめとする外洋や大水深での様々な施工実績を有していますが、本実験の成果により、TLP係留基礎の施工技術開発が大きく前進するものと考えております。

 

 当社は、洋上風力関連事業を「成長ドライバー」に掲げ、今後の主要事業とすべく事業活動を推進しており、特に洋上風力発電事業に関する低コスト化施工技術の開発を重点施策とし、注力しております。今後も洋上風力発電に関する様々な取組みを強く推進していくことで、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。

 

実験の様子

TLP方式の概略図
(提供:三井海洋開発株式会社)

 

TLP方式※1

 TLP(Tension Leg Platform『緊張係留』)方式は、海底基礎との緊張係留により浮体を係留する方式です。波浪中における浮体の高い安定性から、今後の主流となりうる15MWクラスの大型ウインドタービンをコンパクトな浮体に搭載することが可能で、発電コストの低減が期待されます。また、TLP方式の係留索は、他の係留方式に比べて海面下での占有面積を1000分の1程度に抑えることができ、漁業や船舶運航など既存事業への影響をより小さくするため、優れた社会親和性が期待されます。

 

低コストと優れた社会受容性を実現するTLP方式による浮体式洋上発電設備の開発※2

 日本政府の2050年カーボンニュートラル宣言の実現に向けたグリーンイノベーション基金事業の一環としてNEDOが募集した「洋上風力発電の低コスト化プロジェクト」【研究開発項目フェーズ 1―②】浮体式基礎製造・設置低コスト化技術開発事業において、当社を含む4社が応募し、2022年1月21日に採択されたおよそ2カ年の要素技術開発事業です。

 当社が係留基礎、三井海洋開発株式会社が浮体・係留システム、古河電気工業株式会社が送電システムと、従前まで各社が検討してきた技術を、要素技術毎にシミュレーション、実証実験等を通じ検証するとともに、株式会社JERAより提示する設計・環境条件を基に、15MWクラスの発電実証設備の基本設計を実施します。また、発電実証後の商用プロジェクトの実現に向けて、量産化・低コスト化のためのサプライチェーンの検討も開始いたします。

 

PDFはこちらでご覧いただけます

https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/08/20230822.pdf

 

以 上