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東洋建設株式会社(代表取締役社長 武澤 恭司)は、このたび「グラブ浚渫トータル施工システム」を開発いたしました。
2015年末に国土交通省から「i-Construction」が発表され、建設現場では情報通信技術「ICT」を活用した「施工の効率化」や「作業の見える化」が進められています。当社では、「グラブ浚渫トータル施工システム」を開発し、グラブ浚渫の「高精度化」「効率化」を進めています。本システムは「3D浚渫施工管理システム」と「3Dグラブバケット」で構成されています。
3D浚渫施工管理システム
従来のグラブ浚渫管理システムは、グラブバケットの平面位置と深度を計測し掘り跡を記録していました。当社が開発した3D浚渫施工管理システムは、目標浚渫深度を3次元情報として設定しておくことで、グラブバケットの平面位置から目標浚渫深度を表示するガイダンスシステムです。法面浚渫を行うときには法面の勾配に合わせてグラブバケットの位置によって浚渫深度を変えて掘削する必要があり、ガイダンスに従って施工することで過不足なく掘削することが可能となり浚渫精度が向上します。
●3次元で掘り跡の表示が可能
●岸壁・防波堤等の構造物も表示可能
●浚渫必要範囲の表示も可能
3Dグラブバケット
従来、法部の浚渫は階段状に掘削する必要がありました。また、薄層浚渫や仕上げ掘りでは、グラブバケットの容量に対してつかむ土量が少なく、バケット内に多くの水が混入するという問題がありました。このため、浚渫土を土運船に積込む際には船倉に大量の余浄水が混入し、運搬効率が低下するとともに汚濁発生の原因となっておりました。当社が開発したグラブバケットは、法面勾配に合わせてバケットを傾けて浚渫することができ、また浚渫厚に合わせて容量を変えることが可能です。このバケットと法面浚渫深度を管理する「3D浚渫施工管理システム」を組み合わせることによって、より一層高精度かつ効率的な浚渫が可能となりました。
容量:25㎥、20㎥、15㎥(可変)
自重:64.0ton(直巻能力100ton以上のグラブ浚渫船に対応)
支持ロープ:φ52㎜、開閉ロープ:φ52㎜
●法面浚渫対応
吊点を変えることで 1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、水平の6段階で勾配切り替えが可能
グラブバケットの容量は、シェルカバーを上下に移動させることで25㎥と20㎥に切り換えることができます。(特開2015-121022)また、シェルカバーの内側には直方体の鋼製枠があり、鋼製蓋をボルト止めすることで更にバケット容量を15㎥まで減少させることができます。
本グラブバケット及び施工管理システムは広島港廿日市地区航路(-12m)浚渫工事で導入し、出来形精度の向上を確認しました。
浚渫工事の出来形精度向上や作業に伴って発生する汚濁の防止は、近年特に重要視されてきております。当社はこれからも社会のニーズに合致した技術開発を行ってまいります。