基本的な考え方
東洋建設グループは、より良い自然環境とその保護に貢献できる活動や技術開発を推進して、事業活動が環境に与える負荷を軽減し、地球環境の保全と改善に寄与することを生物多様性・自然生態系に関する基本的な考え方としています。
生物多様性行動指針
東洋建設グループは、 人類社会が自然から様々な恩恵を享受していることを認識し、自然の根幹をなす生物多様性の保全に取り組み、人と自然が共生する、持続可能な社会の実現に貢献します。
- 建設活動における配慮
 建設工事における環境配慮を推進し、生物多様性への影響の回避・低減に努めます。
- コンプライアンス
 生物多様性保全に関連する法令等を遵守します。
-  研究開発
 生物多様性の保全・回復、自然資本の持続可能な利用に資する技術の研究・開発を推進し、その成果を広く社会に提案していきます。
- 教育
 環境教育を通じ、東洋建設及びグループ会社役職員、協力会社の生物多様性に対する意識向上に努めます。
- ステークホルダーとの協働
 顧客、行政、研究機関、企業、地域社会、NPO等ステークホルダーとの協働を図り、生物多様性保全・自然再興に貢献する活動を推進します。
海洋環境再生の取り組み
―アマモ場造成を通じたブルーカーボン生態系の再生
アマモは、水深1mから 数mの砂地に自生する海草の一種で、多種多様な海の生き物たちが産卵・生育する「海のゆりかご」としての役割に加え、光合成によるCO2の吸収と酸素の供給、赤潮の発生原因となる窒素やリンの吸収による水質の浄化、加えて底質の安定化など、水域環境の形成に重要な役割を果たしています。
アマモ場は、かつては日本各地の海辺のいたるところに繁茂していましたが、高度経済成長に伴う人口集積や工場建設などにより海域の汚濁と埋め立てが進み、多くが消滅してしまいました。
しかし、水産上の重要性や環境保護の面からアマモ場の価値が見直され、再生復元を望む声が大きくなりました。さらに、アマモ場など海草藻場は高い炭素吸収・貯蔵機能を有しており、近年ではブルーカーボンの貯蔵を通じた気候変動緩和への貢献が注目されるようになりました。
創業当初から海の工事に携わってきた東洋建設は、水域環境の改善に貢献するため、事業で培った技術・ノウハウを活かし、20年以上前から全国各地でアマモ場再生事業に取り組んでいます。アマモ場造成には、当社が開発した「アマモ播種シート」や藻場造成のための海岸工学的適地評価システム「SEADS」などを活用しています。
アマモ播種シートの製作
ステークホルダーとの協働によるアマモ場造成プロジェクト
東洋建設は、アマモの実証研究のため、2001年から兵庫県明石市にある東播海岸でアマモ播種シートを敷設しており、その後江井ヶ島漁業協同組合(江井ヶ島漁協)及びNPO法人アマモ種子バンク(アマモ種子バンク)と連携して「アマモは海のゆりかごだ!」プロジェクトとしてアマモ場の保全を行っています。
東播海岸で造成したアマモ場は、多様な生物のすみかの創出とともに、CO2吸収源となるブルーカーボン生態系の維持に寄与しており、2024年度は17.3t-CO2のブルーカーボンクレジットを創出しました(江井ヶ島漁協およびアマモ種子バンクと共同でジャパンブルーエコノミー技術研究組合[JBE]にブルーカーボンクレジット[Jブルークレジット※]を申請)。
※JBEを運営主体とし、第三者委員会による審査を経て、JBEが認証・発行・管理するブルーカーボンクレジット
東播海岸(江井島)のアマモ場
Jブルークレジット発行証書



