トピックス

杭の打設管理を合理化できる「打設杭トータル施工管理システム Pile T」を開発

 東洋建設株式会社(代表取締役社長 武澤 恭司)は、杭の打設における位置誘導から支持層への打止め確認まで施工管理を合理化できる「打設杭トータル施工管理システム Pile T」を開発し、現場に導入しました。

 

 当システムは、当社のNETIS登録技術である3D鋼管杭打設管理システム(NETIS、CBK-150003-A)を発展させて、3台の自動追尾式トータルステーションによる計測情報をもとに3Dモデルで杭の打設状況をモニタ上のVR(仮想現実)空間に表示します。これにより、オペレータが打設中の杭の位置や傾斜、高さを360度方向から俯瞰的に確認しながら実際の杭を所定位置に打設できます。加えて、支持層での打止め確認時には、サンプリングモアレカメラを使用して、杭頭に貼付けた格子シートの撮影映像から杭の1打撃ごとの貫入量・リバウンド量をリアルタイムに計測するとともに、現場で採用された支持力算定式に基づき推定支持力を自動で算定します。なお、サンプリングモアレカメラは、サンプリングモアレ法を用いて対象物に貼付けた格子シートの撮影映像から対象物のXYZ変位を計測できる株式会社共和電業が販売する高速カメラです。

 当システムのVR空間上では、打設中の杭だけでなく周辺の構造物や地層分布の3Dモデルも表示して現況をリアルに見える化できるため、オペレータの技量や経験に左右されず、高い精度で効率的な杭の打設が可能となります。また、従来では、計測員が貫入量・リバウンド量を杭頭に貼付けた用紙へ直接記録していましたが、杭から離れたモニタ上に貫入量・リバウンド量、および推定支持力をリアルタイムに表示し、その場で杭貫入量測定記録として帳票出力できるため、打止め確認時の効率化や高精度化を図れるとともに安全性が向上します。

 今回の現場への導入結果に基づくと、従来方法では、杭の誘導に測量員3名と打止め確認に計測員1名の合計4名の技術者が必要でしたが、当システムの使用により管理者1名で杭の打設管理を行えるため、省人化にも繋がります。

 今後は、当システムのデジタル化された計測データをBIM/CIMと連携させるなど建設DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、高品質な杭工事を実現していくとともに生産性の向上を図ってまいります。

 

PDFはこちらでご覧いただけます

https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/04/20210421.pdf

 

打設杭トータル施工管理システムの現場導入状況

打設杭トータル施工管理システムの画面

 

お問合せ先
東洋建設株式会社
土木事業本部技術営業部
電話 03-6361-5463