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工事騒音広域監視システム(TOSMO)を開発しました

 東洋建設株式会社(代表取締役社長 武澤 恭司)は、このたび広い範囲に複数の工事騒音監視点を設定できる工事騒音広域監視システム(TOSMO(トスモ):Toyo-construction Sound Monitoring system)を開発しました。

 

 近年、施工区域が市街地に近接するような港湾施設のリニューアル工事が増加してきました。海上工事は遮蔽物のない空間での作業であり、特に昼夜間工事では、遠方に民家があるような場合でも工事騒音により音環境の保全が不十分となる可能性があります。TOSMOは、工事騒音を「見える化」することでこのリスクを回避します。

【システム概要図】

地盤改良工事中の広域監視例

【TOSMOの特徴】

1.対象とする工事騒音のみをリアルタイム監視

 複数の音源が同時に稼働している場合や移動する音源がある場合でも、3か所の観測点で測定された騒音レベルと相対位置から、騒音伝搬式注) により、瞬時に音源中心位置と音源の大きさ(発生源レベル)を求めることができます。

 この音源中心位置と音源の大きさ(発生源レベル)から、騒音伝搬式により施工エリア周辺全域への到達音がリアルタイムに算定できます。このとき、建物や遮音壁などの遮へい物が途中にある場合、これらの回折による減音効果も考慮することができますので、実際の到達音を精度よく計算することができます。そのため、工事とは関係のない鉄道騒音や道路交通騒音など、他の騒音(暗騒音)の影響を受けずに対象とする工事騒音のみを監視・評価できます。

注)日本音響学会提案 建設工事騒音の予測モデル「ASJ CN-model 2007」に記載された騒音伝搬式

2.重機オペレータには音と光でお知らせ

 重機オペレータには、対象とする工事騒音が管理目標値を超えないよう、操作パネル脇に設置した無線パトライトの音と光で騒音の発生状態を知らせます。1次と2次の2段階の警報レベルの設定が可能ですので、余裕をもって発生音の制御ができます。

 工事管理者は、タブレット端末で騒音発生状況を常時監視することができますし、警報レベルに達したときは音で通知されるようになっていますので、他の業務で忙しい時でも工事発生音の変化を見逃しません。また、工事関係者のスマートフォンや携帯電話を通報先に設定しておけば、警報レベルに達したことを関係者全員に同時通報することができます。

3.施工エリア周辺への騒音影響を瞬時に把握

 工事事務所に設置した監視パソコンには、「サウンドマップ」表示機能を備えており、施工エリア周辺への工事騒音の影響をカラーコンターでリアルタイム表示できますので瞬時に広域監視ができます。

4.騒音レベルの時間変動チャートから過去の発生状況も確認可能

 監視パソコンでのモニターには発生騒音の時間変動をチャート表示しており、工事中いつでも発生状況を確認できますので、お施主様や近隣住民の方々からの問合せにも即座に対応できます。

 TOSMOは、NETISに登録済み(登録番号:CBK-140004-A)で、現在特許申請中(特願2014-144505)です。施工エリア周辺の音環境保全に大変有効な手段であり、また安心安全な工事の実現のためにも、更に現場適用を推進してまいります。

以上

                     

参考資料

■現場適用事例(リアルタイム監視)

地盤改良工事中の広域監視例(監視画面)

地盤改良工事騒音の監視(作業船にマイクを設置:赤破線内)

■現場適用事例(編集機能)

工事終了後の油圧ハンマ打設音評価例 (対象作業の結果を算出)

                     

                       問合せ先  東洋建設株式会社
                             土木事業本部総合技術研究所美浦研究所
                             山本 耕三
                             電話 029-885-7511
                             経営管理本部経営企画部広報課
                             北村 健
                             電話 03-6361-5461

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