NEDO「浮体式洋上風力発電低コスト化技術開発調査研究」の開始について

 三井海洋開発株式会社(東京都中央区、代表取締役社長 香西勇治、以下「三井海洋開発」)、東洋建設株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 武澤恭司、以下「東洋建設」)、ならびに古河電気工業株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 小林敬一、以下「古河電工」)は、共同で国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究(浮体式洋上風力発電低コスト化技術開発)」に係る公募の「浮体式洋上風力発電低コスト化技術開発調査研究」に応募提案した結果、採択され、本日10月30日付でNEDOと各社の間で業務委託契約を締結しましたことをお知らせいたします。

 

 脱炭素化社会の実現に向け、欧州を中心に導入が広がる洋上風力発電は、より高いエネルギー効率を得るため沿岸部での設置からより風の強い沖合に向かっており、広い領海を有する日本でも従来の着床式に加え浮体式洋上風力発電が注目されています。

 

 今回の調査研究では、洋上風力発電の浮体の係留方式として国内外で実証が進む緩係留方式ではなく、緊張係留方式(Tension Leg Platform式(以下、「TLP」))の浮体・係留システムを採用し低コスト化を図ります[図1、図2参照]。本調査研究では、TLPの浮体の優れた動揺特性を活かし実事業で想定される10MW超級の大型風車を搭載する浮体として必要な構造信頼性を確保すると共に動揺が少ないことによる、風力発電設備と海底送電システムの耐久性向上による低コストな次世代浮体システム及び海底送電線システムの開発を行います。また、緩係留方式に比べて、係留索による海域占用面積を大幅に削減できるため、漁業や船舶運航への影響を抑えて、優れた社会受容性を発揮することができます。

 

 本事業は2022年3月までの2ヶ年で、三井海洋開発が浮体・係留システム、東洋建設が係留基礎の設計及び海上工事、古河電工が送電システムの分野を担い、技術開発とコスト低減の評価を行います。

 

 東洋建設は、NEDOから助成を受け着床式洋上風力発電施設の基礎(サクションバケット基礎)技術の実証実験にも取り組んでおり、着床式、浮体式双方の洋上風力発電施設基礎の施工方法を確立し、我が国の今後の洋上風力発電の普及に貢献していく所存です。

 

[図1]

イラスト提供: 三井海洋開発㈱

 

[図2]

イラスト提供: 三井海洋開発㈱

以 上

 

お問合せ先
東洋建設株式会社
土木事業本部土木企画部
電話 03-6361-5462

 

PDFはこちらでご覧いただけます

https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/10/R220201030.pdf

 

CELBIC(環境配慮型BFコンクリート)
ゼネコン13社で建設材料技術性能証明を取得し、普及展開へ

 CELBIC研究会(長谷工コーポレーション(幹事)、青木あすなろ建設、淺沼組、安藤ハザマ、奥村組、熊谷組、鴻池組、五洋建設、錢高組、鉄建建設、東急建設、東洋建設、矢作建設工業の13社で構成)は、普通ポルトランドセメントに対して10~70%の範囲で高炉スラグ微粉末を使用したコンクリートとする「CELBIC-環境配慮型BFコンクリート-」について、一般財団法人 日本建築総合試験所より2020年10月5日付けで、建設材料技術性能証明(GBRC 材料証明 第20-02号)を取得しました。

※ 2021年2月22日 建設材料技術性能証明再取得(GRBC 材料証明 第20-04号。第20-02号は運用停止)

 

 CELBIC(セルビック:Consideration for Environmental Load using Blast furnace slag In Concrete)は、循環型社会の形成と地球環境問題の改善に寄与することを目的とし、建築コンクリート構造物に求められる所要の品質を確保しつつ、コンクリート材料に由来する二酸化炭素の排出量の約9~63%を削減する環境配慮型コンクリートです。また、CELBIC は、JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)に適合するコンクリートとして製造・出荷が可能であり、CELBIC研究会への参加13社の責任において施工することとなります。

 

 今後は、建築物やそれ以外の鉄筋コンクリート構造物に対しても、環境配慮性を有したCELBICを適材適所への有効活用し、普及展開を目指してまいります。

 

CELBICの建設材料技術性能証明書

開発実験で作製した模擬部材試験体の様子

 

■環境配慮性について

 高炉スラグ微粉末は、製鉄所の高炉における製銑の際に副生されるスラグを微粉砕したもので、水硬性を有しています。高炉スラグ微粉末の製造時に排出される二酸化炭素は、ポルトランドセメントの1/20以下であることから、環境負荷低減のために有効利用が望まれています。

 高炉スラグ微粉末は、JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)においては、混和材料のひとつとして、セメントに置き換えて使用されるコンクリート材料です。一般的には、あらかじめセメント工場などでポルトランドセメントに所定の分量(40~45%)を混合した高炉セメントB種として流通しています。

■特 長

 CELBICは、生コン工場で、普通ポルトランドセメントと高炉スラグ微粉末をコンクリート材料とし、建築物の部位・部材や、所定の性能に合わせて、セメントの10~70%を高炉スラグ微粉末と置換したコンクリートです。

 CELBICは、使用する高炉スラグ微粉末の量に応じて、A種クラス、B種クラスおよびC種クラスの3種類に分類されます。このうち、A種クラスは普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートと、B種クラスは高炉セメントB種と類似した性能を有し、C種クラスでは適用箇所が限定されるものの、60%以上の二酸化炭素の排出量を削減することができます。加えて、これら3種類のCELBICでは同一の高炉スラグ微粉末を用いることから、生コン工場での材料管理の負担軽減も図れ、各種類の特長を生かした建築物への汎用的な適用が期待されます。

CELBICの種類の呼び名と高炉スラグ微粉末の使用率、二酸化炭素の削減量および適用部位・部材

 

■開発実験

 開発実験では、国内で主に流通している数種類の高炉スラグ微粉末を用いて、様々な条件におけるコンクリートの強度発現性・耐久性を確認し、高炉スラグ微粉末の使用率に応じた基本性能について検証いたしました。

 この結果を基に、工場の選定やコンクリートの調合設計の方法を定め、実際の生コン工場においてCELBICの製造および実際の部材を想定した施工検証を行い、CELBICの調合設計・施工マニュアルを整備いたしました。

 

お問合せ先
東洋建設株式会社
総合技術研究所美浦研究所 安田 正雪
電話 029-885-7511

当社海外事業所における新型コロナウイルス感染者の発生について

 当社マニラ営業所(フィリピン共和国)に勤務する日本人従業員1名が、新型コロナウイルスに感染していることが10月13日に判明いたしました。10月9日に発熱があり、これに伴いPCR検査を実施し陽性が判明したものです。

 当該職員は現在、医療機関の指導のもと療養していますが、軽症となっております。今後、感染者の行動履歴の確認や濃厚接触者の調査など、感染防止対策に向けた対応を行ってまいります。

 当社グループでは、社内外への感染拡大防止、お取引先様、社員とその家族の安全を最優先に、様々な対策を実施しております。
 今後も関係各所と連携し、関係者の皆様の安全確保のため感染防止対策に努めるとともに、事業を継続してまいりますので、何卒ご理解を賜りたくお願い申し上げます。

以上

CO2吸収装置や処分場による石炭灰等のCO2固定および資材化に関する技術開発を開始
~「石炭灰およびバイオマス灰等によるCO2固定・有効活用に関する要素技術開発」がNEDOの研究開発委託事業に採択~

 一般財団法人電力中央研究所(東京都千代田区、理事長 松浦 昌則、以下「電中研」)、三菱パワー株式会社(神奈川県横浜市、取締役社長 河相 健、以下「三菱パワー」)、東洋建設株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 武澤 恭司、以下「東洋建設」)および一般財団法人石炭エネルギーセンター(東京都港区、会長 北村 雅良、以下「JCOAL」)は、石炭灰・バイオマス灰等を対象に、以下の技術開発に取り組みます。

 ① CO2吸収装置によるCO2固定システムの構築
 ② 処分場を活用したCO2固定システムの構築
 ③ 炭酸塩化灰の資材化に向けた基礎製造技術の開発

 

 本件はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電技術推進事業/カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発」の委託事業に応募し、採択されました。本委託期間は2020年度から2021年度の2年間です。

 

 国内で発生する多様な廃棄物のうち、石炭灰、バイオマス灰等といった燃焼灰の多くは、カルシウムやマグネシウムといったアルカリ性を示す金属イオンを含んでいます。これらのアルカリ成分は、CO2と反応し、安定な炭酸塩を形成します。

 本研究開発では、「CO2を炭酸塩化する技術」を将来有望なカーボンリサイクル技術の一つと捉え、その要素技術確立のための共通基盤技術開発を推進するべく、以下の内容を実施することで、燃焼灰を用いたCO2固定システムの構築、および炭酸塩化した燃焼灰の活用に向けた技術開発を行います。

 

 ① CO2吸収装置によるCO2固定システムの構築(図1)(分担:三菱パワー)

   燃料種毎に異なる各種灰の性状に応じたCO2吸収装置の設計仕様の作成に向けた研究開発を実施する。

 ・燃料種の異なる石炭灰・バイオマス灰等を対象としたCO2固定能と反応速度の評価

 ・反応プロセスの検討

 ・重金属等化学物質の動態に関わる検討

 

 ② 処分場を活用したCO2固定システムの構築(図2)(分担:電中研、東洋建設)

   処分場をCO2固定リアクターとみなしたCO2吹込み方法の検討およびCO2固定に伴う処分場の早期安定化に向けた処分場浸出水の水質予測・処理に関わる研究開発を実施する。

 ・処分場内でのCO2固定を想定した炭酸塩化に適したCO2濃度・圧力の検証

 ・炭酸塩化に伴う重金属等の溶出メカニズムの解明

 ・保有水(埋立物の接触水)の処理方法の確立

 

 ③ 炭酸塩化灰の資材化に向けた基礎製造技術開発(図3)(分担:JCOAL)

   炭酸塩化灰を用いた資材の製造に関わる基礎技術の開発に向けて研究開発を実施する。

 ・炭酸塩化灰の適用用途調査

 ・利用用途に応じた固化方法の検討と安定性の検討

 

 各社は、発電等に伴って発生するCO2を資源として捉え、産業副産物を用いてこれを活用する技術開発を通じて、低炭素・循環型社会の実現ならびにSDGsの達成に向けて貢献してまいります。

 

問合せ先:( )内は上記技術担当
一般財団法人電力中央研究所(研究全体および②)
広報グループ
電話 03-3201-5349(広報グループ直通)
三菱パワー株式会社(①)
広報グループ
電話 045-200-7163
東洋建設株式会社(②)
土木事業本部土木企画部
電話 03-6361-5462
一般財団法人石炭エネルギーセンター(③)
技術連携戦略センター
電話 03-6402-6101

 

図1 「① CO2吸収装置によるCO2固定システムの構築」の開発要素と概念図

図2 「② 処分場を活用したCO2固定システムの構築」の開発要素と概念図

図3 「③ 炭酸塩化灰の資材化」の開発要素と概念図

 

PDFはこちらでご覧いただけます

https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/10/20201007.pdf

 

以 上

東洋建設では浮体動揺解析を用いた安全施工を実用化しています

 東洋建設株式会社(代表取締役社長 武澤恭司)は、海上工事において浮体動揺の数値シミュレーション技術を用いて安全に施工するシステムを開発し実用化しています。

 

 浮体動揺量の数値解析には、名古屋大学(水谷法美教授、中村友昭准教授)により開発された3次元流体・構造・地形変化・地盤連成数値計算モデル(FS3M:Three-dimensional coupled fluid-structure-sediment-seabed model)を用いています。

 このシステムは、曳航中のケーソンや起重機船などを浮体構造物としてモデル化し、波浪による動揺を数値シミュレーションするもので、波浪が来襲した時にケーソンや起重機船がどの程度動揺するかを定量的に把握し、動揺量を低減する対策や来襲波浪に対する作業中止判断基準を設定することが出来ます。

 当社ではこれまで、東北地方整備局発注の岩手県久慈港湾地区防波堤(北堤)築造工事をはじめとする防波堤築造工事などで運用し、安全な施工を実現していまいりました。

 今後は、高精度な数値シミュレーションにより構築されるデータベースと多くの施工実績から得られる経験値を統合して施工の可否判断を支援することにより、安全で効率的な施工技術の向上に努め、安心安全でサステナブルな社会に貢献します。

 

 

お問合せ先
東洋建設株式会社
土木事業本部技術営業部
電話 03-6361-5463