グラブ浚渫作業における土運船への積込管理支援システム
「AI Loading Navi(エーアイ ローディング ナビ)」を開発

東洋建設株式会社(代表取締役社長 大林 東壽)は、富士通株式会社(代表取締役社長 時田 隆仁、以下「富士通」)と協働し、土運船への積込映像からAI技術を活用して積込管理を支援するシステム「AI Loading Navi(エーアイ ローディング ナビ)※1」を共同開発しました。

 

 本システムは、グラブ浚渫中における土運船の船倉部分のカメラ画像を、リアルタイムにAI処理することで、土砂・水面・壁を画素単位で識別し、区画毎の土砂割合から積込位置の状態を自動判別して合図者・オペレーターを支援します。なお、満載時の判別は、前記に加えGNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)によって計測した喫水高さも考慮して判断します。このAI処理は、高精度な画像識別ができるセマンティックセグメンテーション※2を用いており、過去2年分の積込画像を教師データとして学習させたものです。

 

 これまでの積込作業では、合図者の目視による定性的な指示でグラブ浚渫船のオペレーターが、土運船上の合図者の指示で操作を行っていましたが、本システムの導入で、瞬時の定量的な自動判断が可能となります。また、繰り返し行う確認作業の時間を短縮し、それに伴う積込作業の待ち時間が削減できる上、オペレーターと情報共有することでその操作性も高まり、作業効率の向上が図れます。さらに、作業員の行動範囲・時間が省力化でき、積込場所へ近づく回数も減るため、安全性も高まります。

 

 今後は、港湾工事における生産性向上対策の1つとして必要とされるグラブ浚渫船や土運船の自動・自律化技術への活用に向け、開発を進めてまいります。

 

AI Loading Navi(エーアイ ローディング ナビ)※1:特許共同出願中

セマンティックセグメンテーション※2:画像を画素単位で物体毎の領域に分類できるAIの画像認識技術

 

 

システム機器・機材設置状況

 

AI処理による画像識別

 

システム判定画面

 

 

PDFはこちらでご覧いただけます

https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/01/20240129.pdf

 

 

お問合せ先
東洋建設株式会社
土木事業本部技術営業部
電話 03-6361-5463

「OCAJI プロジェクト賞」を受賞

 東洋建設株式会社(代表取締役社長 大林 東壽)は、一般社団法人海外建設協会(OCAJI)が優秀な海外建設プロジェクトを表彰する「OCAJIプロジェクト賞」を受賞し、2024年1月23日に表彰を受けました。

 

 受賞したプロジェクトは、当社が2018年9月から2022年5月に施工した「モンバサ港開発事業2期(ケニア共和国)」で、1期工事に続いてコンテナターミナルを建設しました。

 ケニアのモンバサ港は、東アフリカ最大の国際貿易港湾で、ケニアの輸出入の中心として機能するだけでなく、周辺国(タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、南スーダンなど)への物流に対しても重要な役割を果たしています。

 本プロジェクトは、増加するコンテナ需要に応えるため、日本政府の支援を受けて、1期と2期を合わせて100万TEU 以上の増強が行われました。

 

 今回の受賞は、難しい施工環境に対応する高度な柔軟性と技術力、技術移転や人材育成等地元への貢献などが評価されたものです。当社は、今後も、日本政府が進める「質の高い成長」並びに「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に貢献するとともに、各国のクオリティオブライフの向上に寄与してまいります。

 

TEU:Twenty-foot Equivalent Unitの略。20フィートで換算したコンテナ個数を表す単位

 

右から 国際支店 今井営業部長、大林代表取締役社長、一般社団法人海外建設協会 佐々木会長、
中村取締役、国際支店 小向工事部長

モンバサ港のコンテナターミナル(手前が2期工事、奥(コンテナが集積している箇所)が1期工事)

美浦研究所一般公開で体験学習イベントを開催しました。
「ものづくりの最新技術を体験しよう!」

 2023年12月2日、東洋建設は茨城県の美浦村生涯学習課・企画財政課と共同で、体験学習イベントを当社の研究施設である美浦研究所(茨城県稲敷郡美浦村)で開催しました。このイベントは、「土木の日」(11月18日)関連行事の一環として、公益社団法人土木学会関東支部の後援のもと、今年で19回目の開催となります。当日は美浦村の「ジュニア・アカデミー」所属の小学生と、「大好き美浦村ネットワーカー協議会」所属の一般の方を含む24名の参加があり、賑やかな開催となりました。

 

 

① 練混(ねりま)ぜ体験 【来て、見て、さわって】くらしをささえる便利なコンクリートを知ろう

 

 増粘剤を混ぜる前と後のそれぞれのコンクリートを水槽へ投入し、増粘剤なしのコンクリートは水が濁りますが、増粘剤を混ぜたコンクリートは強い粘り気のため水が濁らず、環境にやさしいコンクリートであることを勉強していただきました。

 続いて、例年子供たちに好評を博している人形つくりを体験。子供たち、一般の方共に手際よく練混ぜたコンクリートを気に入ったキャラクターの型に空気が入らないように流し込み、完成を待ちました。出来上がった人形を見た時は歓声があがり、大変喜んでいただけました。

 

② 力くらべ体験 【これで君も地震博士】これでもう大丈夫!地震に強い建物や橋のしくみを知ろう

 

 どのような構造が地震に強いかを知ってもらうため、家の柱・梁(はり)・壁に見立てたアルミ枠との恒例の綱引き体験をしてもらいました。アルミ枠は補強なし、筋交いの補強、障子の補強の3種類を用意し、強度の違いについて楽しみながら体感していただきました。さらに、耐震構造が学べる「紙ぶるる」という紙工作では、各自が紙で組み立て家を左右に揺らすことで筋交いを入れた場合の耐震や、基礎下に丸棒を挿入した制振補強の強度を実感しました。

 

③ ペットボトルで発電体験 【風の力で電気をつくろう】環境にやさしい技術を知ろう

 

 再生可能エネルギーのひとつである風力発電の仕組みなどを説明した後、実際にペットボトルの風車を作製し、風の力による発電を体験しました。完成させたペットボトルの風車が大きな扇風機の前で風を受け、発電する様子を観察。風車に取り付けたLEDライトが光ると、子供たちは大喜びしていました。手軽な風車模型を通して、地球にやさしい自然エネルギーについて参加者皆さんに学んでいただきました。

 

 

 イベントに参加された参加者のアンケートでは、「水に溶けないコンクリートがあるということに驚いた」「建物の耐震について筋交いと紙1枚(壁)でかなり強くなることが分かった」「風で電気を作れる仕組みを学べて良かった」などの感想が寄せられました。

 当社では、今後ともこのようなイベントを通じて、研究所や建設業が果たす社会的な役割や重要性などを地域の方々に理解していただけるように努めてまいります。

 

 

① 練混ぜ体験【来て、見て、さわって】

環境にやさしいのはどちらのコンクリートかな?

コンクリートを手早く混ぜて型に流し込んでね

② 力くらべ体験【これで君も地震博士】

アルミ枠との力くらべ!

地震に強い構造はどんなつくりだろう?

③ ペットボトルで発電体験【風の力で電気をつくろう】

風の力で電気が作れる仕組みについて学ぶ参加者

自作の風車で、発電体験

ドローンで集合写真を撮影