Monthly Archives: 9月 2021
「BIM/CIM属性自動付与システム(SCP)」を開発しました
東洋建設株式会社(代表取締役社長 武澤恭司)は、施工出来形などをBIM/CIMモデル及び出来形管理表に自動的に付与できる「BIM/CIM属性自動付与システム(SCP)」を開発しました。
当システムは施工機械から出力される施工位置や高さなどのデータを、計測値確認後にクラウドへ保存するとBIM/CIMモデルや出来形管理表等に自動的に反映できるシステムです。第1弾としてSCP(サンドコンパクションパイル*1)データを反映できる「BIM/CIM属性自動付与システム(SCP)」が完成しました。このシステムは、北海道開発局小樽開発建設部から発注された当社施工の「石狩湾新港地盤改良工事」で運用しました。

図-1 BIM/CIMモデルでのSCP属性の確認(デモ画面)
従来BIM/CIM属性は、野帳等の紙に記入した出来形等のデータをパソコンで管理表に手入力して作成しBIM/CIMデータに変換していましたので、データ反映までに手間と時間がかかるなど課題がありました。一方、今回のシステムでは、施工位置や高さなどの計測値確認後にクラウドに保存されたSCP杭打設データは、BIM/CIMモデルと管理表に自動付与されます。これによりデータ入力手間がなくなったほか、クラウド経由でデータ共有を行えるので、支店や本社など遠隔地でのBIM/CIMによるデータ管理が可能となりました。また、データ付与の際に、施工済み範囲や施工許容誤差内ではあるものの一定以上の偏差が計測された杭などに自動で着色することにより3次元で可視化し、一目で施工の進捗や精度管理ができるようになりました。

図-2 石狩湾新港でのSCP打設状況

図-3 BIM/CIM属性自動付与システム(SCP)のシステム概要
当社では、綿密な施工計画作成のためのBIM/CIMによる施工シミュレーション技術と、施工現場での生産性向上を目的としたICT技術を拡充してまいりました。「BIM/CIM属性自動付与システム(SCP)」では、BIM/CIM及びICT技術をつなげることにより、施工管理の省力化が実現しました。当社はこれからも施工計画から施工現場管理への総合的なDX推進を図り、施工技術及び生産性の向上を実現してまいります。
*1)サンドコンパクションパイル=軟弱地盤を改良するため地中に締固めて造成する砂杭
*2)IFC=Industry Foundation Classesの略で、3次元モデルデータ形式(各種3次元CADに適用可能)
【BIM/CIM属性自動付与システムのメリット】
●クラウドに保存された出来形等のデータを、BIM/CIMモデルや管理表に自動反映
●従来の属性付与のデータ入力作業を無くし自動化が可能
●施工進捗や精度管理等を遠隔地でもBIM/CIMで管理可能
●施工完了箇所や精度管理値を超える部分の自動着色により進捗や精度管理を3次元で可視化
PDFはこちらでご覧いただけます
https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/09/20210927-1.pdf
実海域においてサクションバケット基礎の施工技術実証試験を実施しました
東洋建設株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 武澤 恭司、以下「東洋建設」)と日立造船株式会社(大阪府大阪市、取締役社長兼COO:三野 禎男、以下「日立造船」)は、着床式洋上風力発電施設への適用を目指すサクションバケット基礎の施工技術実証試験を今夏、実海域で実施しました。なお、本件はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の風力発電等技術研究開発(洋上風力発電等技術研究開発)「洋上風力発電低コスト施工技術開発(施工技術実証)」の助成を受け、実施しております。
本開発では東洋建設が施工、日立造船が設計・製作を担当しており、実海域での試験では1/4縮尺モデルを用い、東洋建設が施工に関する実験、日立造船が構造に関する実験を行いました。
サクションバケット基礎の施工性は撤去も含めた検証を行い、施工中の振動・騒音・汚濁について周辺影響が非常に少ないことが確認できました。
今後、両社は技術検証を経て2026年頃にサクションバケット基礎の実用化を目指します。
両社は、これからもクリーンエネルギーの普及に寄与する技術開発により、低炭素・循環型社会の実現に向けて貢献してまいります。
PDFはこちらでご覧いただけます
https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/09/20210917.pdf

実証試験の状況

試験に使用したサクションバケット

バケット貫入時に魚が確認できるほどの静穏性
フィリピン共和国パッシグ・マリキナ川河川改修事業(フェーズⅣ)を受注しました
東洋建設株式会社(代表取締役社長 武澤恭司)は、フィリピン共和国公共事業道路省が発注するパッシグ・マリキナ川河川改修事業(フェーズⅣ)のうち、工区パッケージ2を当社単独で、パッケージ3を当社が幹事会社を務める共同企業体(JV)で受注し、2021年7月19日に契約署名式が執り行われました。
当社はこれまで同事業のフェーズⅡ、フェーズⅢを施工していますので、今回で3フェーズ連続の受注となりました。受注金額はパッケージ2が約172億円、パッケージ3が当社分約97億円(JV受注総額約194億円)の合計約269億円となります。なお、同工事は日本国政府開発援助(ODA)の有償資金協力(円借款)のうち、本邦技術活用条件(STEP)として実施されます。
当社がフェーズⅡ、フェーズⅢで護岸整備及び河道浚渫を行ったことにより、周辺地域の洪水被害は大幅に低減され、また川に親しむ護岸構造になっている整備部分は、地域住民の憩いの場となっています。さらに周辺には公園や商業施設、超高層住宅等も次々と整備され、本プロジェクトが地域の発展に大きく貢献していることがうかがわれます。
今回受注したフェーズⅣは、その上流部の整備となり、下流部同様,氾濫防止のための嵩上げを含む護岸の整備及び流下能力を向上させるための河道浚渫を行うことにより、周辺地区の洪水被害を低減させる効果があります。周辺から川に流れ込む雨水や生活排水についても、同時に行われる排水溝等の整備により環境の改善が見込まれます。また、本工事エリアにつきましても、下流部同様地域の経済発展に大きく寄与することが期待されています。
当社は、自然災害が多い国の一つであるフィリピンに1973年に進出して以来、様々な事業に参画しています。大規模な河川工事分野では、アグノ川流域緊急復旧工事(ルソン島中部)、オルモック市洪水対策工事(レイテ島)、ラオアグ川治水・防砂工事(ルソン島北部)、パッシグ・マリキナ河川改修工事フェーズⅡ、フェーズⅢ(マニラ首都圏)、カガヤンデオロ洪水対策工事(ミンダナオ島北部)等、数多くの施工実績を積上げてまいりました。
約半世紀近いフィリピンでの事業は、当社にとってかけがえのない財産となっています。これからも地域に根差した事業展開を進め、当社の保有する技術の移転や人財育成などを行い、同国の社会・経済発展に寄与してまいります。
以 上
<工事概要>
パッケージ2 | パッケージ3 | |||
工 期 | 着工から1,460日 | 工 期 | 着工から1,460日 | |
施 工 者 | 東洋建設株式会社 | 施 工 者 | 東洋建設・清水建設共同企業体 | |
工事内容 | 整備区間 2.6㎞ ハット型鋼矢板式護岸 総打設延長 105,000m 重量 約31,000トン コンクリート工 25,000㎥ 浚渫工 613,000㎥ |
工事内容 | 整備区間 4.05㎞ ハット型鋼矢板式護岸 総打設延長 144,000m 重量 約36,000トン コンクリート工 49,000㎥ 浚渫工 905,000㎥ |
<現場位置>
<完成イメージ>
WIND EXPOに出展します!

ブースイメージ
当社は2021年9月29日(水)から10月1日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催されるWIND EXPOに出展いたします。
WIND EXPOは、日本の風力発電の普及に寄与すべく、関係業界をあげて開催する、風力発電に関する日本最大の展示会です。
当社ブースでは、実施中の実証実験を体感できるドームスクリーンや開発技術についてのパネル展示を行い、洋上風力発電事業への取り組みをご紹介いたします。
ご来場の際は、是非東洋建設ブース(21-27)にお立ち寄りの上、お気軽にお近くの担当者にお声掛けください。皆さまのご来場を心よりお待ちしております。
WIND EXPO公式サイトはこちら
新型コロナウイルス感染者の発生状況について(2021年8月)
2021年8月に確認された当社職員の感染者発生状況についてお知らせいたします。
感染判明日 | 感染者 | 状況 |
---|---|---|
8月2日 | 神奈川県内勤務の職員1名 | 濃厚接触が疑われる関係者のPCR検査を行い、必要な措置を実施しています。 |
8月5日 | 岩手県内勤務の職員1名 | 濃厚接触が疑われる関係者のPCR検査を行い、必要な措置を実施しています。 |
8月7日 | 神奈川県内勤務の職員1名 | 濃厚接触が疑われる関係者のPCR検査を行い、必要な措置を実施しています。 |
8月13日 | 東京都内勤務の職員1名 | 濃厚接触が疑われる関係者のPCR検査を行い、必要な措置を実施しています。 |
8月13日 | 大阪府内勤務の職員1名 | 濃厚接触が疑われる関係者のPCR検査を行い、必要な措置を実施しています。 |
8月21日 | フィリピン国内勤務の職員1名 | 濃厚接触が疑われる関係者のPCR検査を行い、必要な措置を実施しています。 |