ルーマニアで建造中の自航式ケーブル敷設船の進水式を実施

 東洋建設株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 会長執行役員 CEO:吉田真也、以下「当社」)は、2025年6月27日、Vard Group AS(本社:ノルウェー、COO:Erik Sandnes)と建造契約を締結している自航式ケーブル敷設船(以下「本船」)の進水式(*1)を、ルーマニアのVard社造船所にて執り行いました。これにより、本船は本格的な艤装(*2)工程へと進み、今後は2025年9月末までにルーマニアで一次艤装を終えた後、ノルウェーに回航し、二次艤装および総合試運転を行う予定です。本船の建造は2026年6月末の引渡しに向けて、順調に進捗しています。

 

*1:造船において造船台で組み立てられた新造船舶を初めて水に触れさせる作業・儀式

*2:船体が完成した後にケーブル敷設装置、揚貨装置や内外装などの装備品を取り付ける最終工程

 

 

 進水式には当社およびVardグループ、在ルーマニア日本大使館、一般財団法人日本海事協会(ClassNK)、JETROブカレスト事務所の多くの方々にご出席いただきました。在ルーマニア日本大使館の谷口涼専門調査員は、短期間での建造を実現したVard社の高い造船技術に謝意を示すとともに、本船が今後、日本におけるカーボンニュートラル実現に大きな役割を果たすことへの期待を述べられました。

 

 

 当社は、洋上風力関連事業の海上工事分野でトップクラスのシェアを目指すとともに、2050年カーボンニュートラルの実現や、海洋の持つ可能性を最大限に広げ未来へつなげていくため、今後もGXの推進に果敢に挑戦し、貢献してまいります。

 

 

進水後のケーブル敷設船

進水式の出席者

 

 

<2026年完成予定>国内最大級の自航式ケーブル敷設船の建造について

 日本国内の自然条件および施工条件に適合するために最適な船体設計を行うことで、水深の浅い海域から浮体式洋上風力発電や直流送電事業を対象とする大水深海域までの広い海域において、高い稼働率での施工が可能です。また、高性能クレーンと広いデッキ面積によって、着床式基礎工事、浮体式洋上風力係留工事の他、二酸化炭素回収・貯留(CCS)事業、海洋エネルギー・資源開発事業といったGX推進に必要とされる事業の海洋工事等、多目的な分野にも適合することができます。

 

 

【概要】

 

 

お問合せ先
東洋建設株式会社  

管理グループ 広報部

電話 03-6361-2691

「統合業務システムWIZDOM」に安全日誌を連携
~インテグレーション/データ連携による効率化~

 東洋建設株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役会長執行役員 CEO:吉田 真也)と株式会社BREXA Technology(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山﨑 高之、以下「BREXA Tech」)は、2025年7月1日、これまでに協働構築していた「統合業務システムWIZDOM」(以下「WIZDOM」)に安全日誌を連携させました。

 

 WIZDOMは、当社とBREXA Techの数百回におよぶ会議を重ね構築させたもので、帳票一元化~提出管理~閉所管理~データ登録保存~資格管理等が統合された工事管理システムです。昨年度は、これらの工事システムに営業システムや検索システムを連携させ、公告から工事竣工までを一元管理できる統合業務システムとしました。今回、WIZDOMに安全日誌を統合させました。安全日誌は、パソコンや当社全職員に配布されている業務用内線iPhoneやiPadなどからいつでもアクセス可能です。また協力会社もDMZ(非武装地帯)から安全日誌に入室させることにより、セキュアな環境を作りました。

 

 今回、WIZDOMに 安全日誌を連携させたことで、業務の効率化やソフトの連携活用、ペーパーレス化、CO2や波高収集などのデータ連携を通じたデジタル活用により、生産性の向上を目指します。

 

 

 

 

 

■「安全日誌WIZDOM」導入の背景

 安全管理に関しては会社ごとに独自ルールがあり、一般の安全日誌では不都合が生じる場合がありました。また、現場で必要なCO2計測や波高データ収集なども容易に収集できる仕組みも必要でした。

 そこで当社での土木事業部門、建築事業部門、コーポレート部門、安全環境部、総合技術研究所とBREXA Techが協働でWIZDOMに安全日誌を連携させた「安全日誌WIZDOM」を開発しました。このクラウド型安全日誌は、現場が効率的に利用でき、かつ業務クラウドに自動で保管できるものです。

 安全日誌WIZDOMの開発においては、各部署によって記載方法にも特徴があり、簡単に統一できない状況でした。さらに、さまざまなアプリやWebソフトとの連携も必要でした。これらを踏まえ、開発においては、各部署(土木・建築)の利便性を最大限優先した上で、全体最適となるよう設計し、構築会議で出たアイデアを小単位で素早く反映できる「アジャイル開発」により早期実装を進めてきました。また、WIZDOMへのインテグレーションやデータ活用も進め、ユーザーの利便性を高めました。

 

 

■「安全日誌WIZDOM」の特長

 WIZDOMのシステム内で利用でき、直感的で分かりやすいUIになっています。今年度から当社が取り組んでいるCO2​​集計の機能も連携し、安全日誌に入力された機械情報からCO2​​排出量を自動で計算できる仕組みを導入しました。

 また、当社の総合技術研究所で収集している波高などのデータを取り込めるようにデータ連携を行いました。

 

 

 

①主要入力画面

 職員の直接入力(PC)または、職員・職長のスマホから主要機械や作業予定などの入力が可能なハイブリッド形式となっており、手書き感覚で協力会社や機械、作業内容を追加することができます。また、これらの情報を反映したミーティング日報を出力することも可能です。

 

 

 

②サイン機能

 職員や職長の手書きサインが直接iPadや職長のスマートフォンから直接入力することが可能です。これにより、完全なペーパーレスを実現できます。

 

 

 

③協力会社情報

 作業内容を登録する際には、別システムで登録されている協力会社をプルダウンから選択できます。また、安全日誌入力データから協力会社の労働者数を自動で集計します。

 

 

 

④土木・建築それぞれの特徴をシステムに反映

 土木部門においては、船舶情報・主要機械情報・波高情報など、1つの作業に対して多くの詳細な情報を記録する必要があります。一方、建築部門では、土木部門に比べて多数の協力会社による作業情報を入力する必要があり、それぞれの部門特有の運用が求められます。こうした部門ごとの違いに対応するため、当システムでは土木・建築それぞれに適した画面レイアウトや入力方式を採用しました。

 特に建築部門では、現場職員が従来使用していた形式に近い入力フォームを採用することで、システム移行後も違和感なく運用できるよう配慮しています。

 また、安全日誌の出力においては、PDFなどで従来の書式に準じた形式でデータを出力できるため、これまでの記録様式との整合性を維持することが可能です。

 

建築-作業内容入力画面

 

 

⑤データ連携(CO2​​集計、施工実績収集、歩掛集計)

 当社の管理船、協力会社の船舶、陸上機械の3つの区分から、主要な機械をプルダウンメニューで選択し、その規格を入力できます。入力されたデータに基づき、各現場での機械によるCO2​​排出量が自動的に計算され、本社に報告されます。

 総合技術研究所が展開する施工実績収集とも連携できるほか、作業数量や作業時間の入力も可能で、今後は歩掛の集計が容易になるとともに、さまざまなデータ連携が可能になります。

 

 

 

⑥「K-SAFE 東洋 RAG適用Version」および「安全専用GPT」で安全指示を記入

 安全日誌の画面上部の「K-SAFE 東洋 RAG適用Version」※1リンクから当社の災害事例や安全ルールなどの検索が可能です。また、「東洋建設災害防止基準」や安全のポイントを掲載した「安全ルールの見える化」、さらに500種類を超える「成功・失敗事例」など、当社独自のデータも検索することができます。

 さらに、「東洋建設災害防止基準」や社内安全関連資料をベースに、イラスト付きで質問に回答できる「東洋安全ChatGPT」も利用できます。

 

※1「K-SAFE 東洋RAG適用Version」について https://www.toyo-const.co.jp/topics/technicalnews-20676

 

 

 

⑦「Knowledge Explorer」 搭載により全国のファイルを検索可能

 打合せ時に、文書生成ではなく、過去のドキュメントや写真等を協力会社と一緒に直接確認したい職員のために、ファイル名がわからなくても検索が可能な「Knowledge Explorer」※2を搭載しました。API連携により、統合業務システムWIZDOMに保存されている全国の工事データや、クラウドサーバー内に格納されているファイルから、必要なデータを検索できるようになり、業務の効率化やナレッジの組織知化に貢献しています。また、検索時には画像プレビューができるため、視覚的に内容を認識しやすくなっています。さらに、竣工書類や社内の施工研究発表会におけるレポートなども検索が可能で、これらに関するコメントの加筆もできるため、各拠点間のコミュニケーション促進が期待されます。 

 

※2 Knowledge Explorerは株式会社図研プリサイトの製品です。

 

 

 

 

 当社は今後も本プラットフォームの社内での利用を積極的に促進し、全職員のデジタル活用能力の底上げと業務効率化に努めてまいります。

 

 

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